こんばんは、いしかわです。
秋田県内ではスーパーでもコンビニでも見かけることの多い、雪の茅舎。
そのラインナップは多彩で、なかなか「これだ! これにしよう!」とは決められませんよね。
定番商品も豊富で、
- 純米吟醸
- 山廃純米
- 秘伝山廃
- 奥伝山廃
などなど、いつでも買える4種が買い手を悩ませます。
「どれがおいしいんだろう?」
「何がちがうんだろう?」
手に取っては戻し、手に取っては戻し。
ネットで検索しても、なかなか個別の感想って出てこないんですよね。
なので今回はシンプルに、『雪の茅舎 山廃純米』を飲んでみたよ。
というだけの記事を書いていきます。
サクサク読めちゃうので、ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね。
それでは、いってみましょう。
『雪の茅舎 山廃純米』ってどんなお酒?
『雪の茅舎 山廃純米』は、由利本荘市にある齋彌酒造店がつくる日本酒です。
杜氏の高橋藤一氏がNHKの『プロフェッショナル~仕事の流儀~』にとりあげられたことで、全国的にもその名が知られることとなりました。
そんな齋彌酒造店ですが、日本酒づくりの考え方には他では見られない大きな特徴があります。
それは、“微生物ファースト”という考え方。
「お酒は人ではなく、微生物がつくる」
だから余分な手は加えない。
蔵のなかを清潔に保ち、微生物が働きやすい環境づくりを徹底しているんです。
さて、そんな齋彌酒造店がつくる『山廃純米』とは、いったいどんなお酒なのでしょうか。
「そもそも『山廃』って何よ?」
って思いませんか?
実は『山廃』って、略語なんです。
『山卸し廃止』をみじかくしたもので、『山卸し』とは造りの工程を指します。
その工程は、実に重労働。
櫂棒(かいぼう)という棒で、蒸したお米をすりつぶしていく作業なんです。
しかもこの櫂棒(かいぼう)が、まあ長い!
身の丈よりも長いんです。倍といっても過言ないかもしれません。
そんな櫂棒をつかって3分間、蒸した米をノンストップですりつぶしていきます。
これを5セットです。
もはやアスリートの世界。
3分5ラウンドと捉えれば、もはやボクシングの世界観といえます。
考えただけでもやりたくはない工程ですよね。
というわけで、そんな重労働は廃止にしてしまおうと生まれたのが『山卸し廃止』。
『山廃』です。
でも、ちょっと待ってください。
「廃止にしていいの?」
そうなんです。いいんです。
麹(こうじ)で溶かせばいいんです。
これでもう『山卸し(じゅうろうどう)』とはオサラバです。
が!
しかし!
But!
そうすることでやっぱり、『山卸しを行ったもの』と『山廃』では味にちがいが出てきます。
一般的には、『山廃』のほうが力強い味わいになるのだそう。
では、『雪の茅舎』の場合はどう感じたのか。
味の感想に移っちゃいましょう。
『雪の茅舎 山廃純米』を実際に飲んでみて
この1本、一言であらわすのならこうなります。
“うまみが濃厚なのに、透き通る後味”
タイトルどおりですね(笑)
たしかに濃厚。力強さがあります。
雪の茅舎の大きな特徴に『濾過をしない』という考え方があるのですが、それも手伝っているのかもしれません。
なにせよく沁みます。
舌の上で香りがのぼるのではなく、じんわりと沁みます。
しかも、濃厚なのに刺さらないんです。
だから、やさしい。
だから、おいしい。
けっして辛くはありません。
『濾過をしない』のに飲みやすく、そして透明感があります。
冒頭で挙げた定番4種。
- 純米吟醸
- 山廃純米
- 秘伝山廃
- 奥伝山廃
これらのなかで飲み疲れなさがダントツです。
ちょっと想像してください。
100%果汁のオレンジジュースっておいしいですよね。果実感たっぷりで濃厚。オレンジをまるごと飲んでる!って感じがします。
でも、量って飲めますか?
ちょっと濃すぎますよね。
日本酒もおなじで、強すぎる味わいはグラスの動きを止めてしまいます。
まだ余韻が消えなかったり、飲むのに疲れてしまったり、理由はさまざま。
「もういいかな」というブレーキがかかりがちです。
そういう点でいえば『山廃純米』は、ちょうどいい。
飲み飽きることなく晩酌に寄り添うチカラがあります。
大きな感動こそありませんが、ちいさな悲しみもない。
そんな何気ない日常がよく似合う1本でした。
『雪の茅舎 山廃純米』の商品情報
- 使用米:山田錦・秋田酒こまち
- 精米歩合:65%
- アルコール度:16度
- 日本酒度:+1
※2020年のものを参考
まとめ:雪の茅舎の『山廃』は力強い。が、透明感も忘れない。
価格の面で財布にやさしく、さらに手に入りやすいのも嬉しいこの1本。
日本酒には『季節限定』『数量限定』が多く、どうしてもそちらに目がいきがちです。
でも、やっぱり忘れてはいけません。
有名な蔵って、定番商品もおいしいんです。
新しさはありませんが、ぜひ、家に常備する1本として。
日本酒選びの選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
※飲みやすい日本酒、辛口、甘口でおいしい日本酒をまとめています。こちらも合わせてご覧ください。