「イタリアンやフレンチに合わせやすい日本酒が欲しい」
「いま、酸がアツい」
この記事は、そんなあなたに向けて書いています。
こんばんは、いしかわです。
日本酒を飲んだときの感想でまず最初に浮かぶのは、『甘い』か『辛い』かですよね。
買うときも頼むときもそう。
「辛口でオススメってあります?」
「甘めのやつがいいんだけど」
というように、日本酒選びの基準になることが多いかと思います。
ところがどっこい。
どっこいですよ。
これから紹介していく1本は、『辛口』『甘口』に目がいきません。
『酸っぱい』
まずその一言に尽きる1本です。
ちょっと見ていきましょう。
『刈穂 ホワイトラベル 純米火入れ』ってどんなお酒?
『刈穂 ホワイトラベル 純米火入れ』とは、焼酎の仕込みにつかわれる『白麹』で仕込んだ『純米酒』です。
2024年までは生酒でしたが、2025年より火入れとなりました。
一般的な日本酒の酸度は1.0〜2.0の間くらいです。
2.0もあれば、酸度の高さが特徴になってもおかしくはありません。
そんななかで、この1本。
『刈穂 ホワイトラベル』は突き抜けます。
酸度5.6(2025年の数値)
一般的な日本酒の『べぇ(倍)』。2べぇ〜3べぇの数値を叩き出しています。
なので酸度の高さが特徴というよりは、
“酸度の高さにしか目がいかないのが特徴”
と言っても過言ではありません。
白麹をあつかう蔵は多々ありますが、ここまでの酸度はもはや突然変異。
『飛良泉』が2024年に酸度5.2の『鵠(はくちょう)』を発売し話題になりましたが、『刈穂』はさらに上をいきました。
とはいえ、勝った負けたのお話ではございません。
翌年の『鵠(はくちょう)』は、酸度が4.1。
数年前の『刈穂 ホワイトラベル』は酸度が3.8でした。
なので、決して安定するものではないんです。
今年より来年。来年より再来年。
とはならないのが、酸度の数値なんです。
ということで、今年の酸は今年のうちに。
実際に飲んでみました。
『刈穂 ホワイトラベル 純米火入れ』を飲んでみて
この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。
“柑橘系に両足を突っ込むレベル”
グラスに鼻を近づけずとも感じる、酸味のある香り。
味わいも酸味が深くて、膨らみ方がコクのあるレモンのようです。
-5度の甘口でありながらも、強い酸でさっぱりと飲ませます。
この『さっぱり感』が、いいんです。
甘酸っぱさが残らない。
なので、ジメジメした梅雨時期だろうと爽やかさが楽しめちゃいます。
60%まで磨いた『美山錦』は、さすがクイーンの貫禄。
白麹のクエン酸に透明感とうまみが乗ります。
爽やかにして鮮やかにして美しい。
いったいこのバランスを得るまでにどれほど試行錯誤してきたのか。
これまでの『純米酒』という括りからの突き抜けに、目を見開くばかりです。
合わせるのなら、イカの刺身や白身魚。
カルパッチョやビネガーソース。
レモンをしぼって食べる料理なんかと抜群の相性を見せてくれそうです。
あとは、料理問わずイタリアンでしょうか。
ぜひ、イタリア料理の席に用意したい1本でした。
『刈穂 ホワイトラベル 純米火入れ』の商品情報
- 原料米:美山錦
- 精米歩合:60%
- アルコール分:16度
- 日本酒度:-5
- 酸度:5.6
- アミノ酸度:1.6
販売時期は、6月頃。
季節限定、数量限定品となります。
まとめ:日本酒も多様性の時代!? ついに酸度はここまできた!
昭和、平成の世に出ていたら、はたしてウケただろうか。
いや、ウケなかっただろう。
急に考察をしそうになりましたが、ざっくりいきましょう。
『刈穂 ホワイトラベル』は、現代だからこそ受け入れられた日本酒だと思っています。
なので、年配の方にはウケないかもしれません。
ですが『若い世代』、そして『欧州』。
『これから』と『世界』で戦う力をもった日本酒です。
日本人の食生活に『洋』が当たり前の今、日々の食事とも合わせやすいのではないでしょうか。
この1本、沼ですよ。
好みに合ってしまえば、酸の沼です。
個人的には女性にオススメしたい1本なので、ちょっとしたパーティーなんかに持参すると喜ばれるかもしれませんよ。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは。
※せっかくなので夏向けな秋田の日本酒も読んでみてね