こんばんは、いしかわです。
「日本酒といえば辛口」という方は、いまだに少なくないですよね。
特に食事に合わせやすい日本酒となると、なおさら辛口に目がいくのではないでしょうか。
とはいえ、辛口の日本酒っていっぱいありますよね。
日本酒度という目安こそありますが、辛さの好みは人それぞれ。
辛口好きを自称している人でも、「これはちょっと辛すぎる」という銘柄はあるはずです。
でも、安心してください。
今から紹介する『うまからまんさく』はちがいます。まったくちがいます。
“うまくて辛い”
“辛くてうまい”
「辛いだけ」なんてことのない1本です。
ちょっと詳しくみていきましょう。
『特別純米酒 うまからまんさく』ってどんなお酒?
『特別純米酒 うまからまんさく』は、横手市の日の丸醸造がつくる定番銘柄です。
日の丸醸造といえば、代表するは『まんさくの花』。
1981年に放送されたNHKの朝の連続ドラマ『まんさくの花』をきっかけに生まれました。
この記事を書いているのが2023年ですので、誕生してもう40年あまり。
由来を知っている世代からはもちろん、知らない世代からも愛される、秋田で根強い人気の銘柄です。
では、“うまから”まんさくは、どういうお酒なのでしょうか。
『特別純米酒 うまからまんさく』の日本酒度は+8。
だいたい+6以上から『大辛口』に分類されるので、『うまからまんさく』は『大辛口』にあたります。
精米歩合は55%。
『吟の精』や『秋の精』を半分近くまで精米しているのが特徴です。
どちらの酒米も秋田県固有の銘柄なので、まさに地元の酒。地酒ですね。
実は『純米吟醸』とおなじ造りをしているので『純米吟醸』と呼びたくなりますが、分類は『特別純米酒』となります。
そして、なぜ私がいちいち『特別純米酒 うまからまんさく』と正式名称で書いているのか。
そこにはちょっとした理由がありました。
実は『うまからまんさく』って、3種類あるんです。
『特別純米一度火入れ原酒』の『ひやおろし』。
『特別純米生原酒』の『番外品』。
そして、通年販売の『特別純米酒』。
なので、いちいち長くなって申し訳ないのですが正式名称でお伝えしています。
というわけで最後に、『特別純米酒 うまからまんさく』がどんなお酒なのかを一言にまとめて、味の感想に移っていきましょう。
『特別純米酒 うまからまんさく』は、
“『吟の精』や『秋の精』を純米吟醸クラスまで磨いてつくった+8度の大辛口”
『特別純米酒 うまからまんさく』の味は?
『特別純米酒 うまからまんさく』の良さは、なんといっても品の良い辛さに尽きます。
雑味がなくて、辛さのなかにうまみたっぷり。
常温だと辛さだけでなく、酸味とうまみがしっかりと感じられます。
辛さに慣れるとうまみが前へ。
シンプルにこのうまみがおいしいんです。
さらにお伝えしたいのが、余韻です。
うまみが舌にじわりと残ります。
この余韻がいいんです。たまりません。ホッとする時間が続きます。
燗にすればよりハッキリとした辛さを。
冷やならよりスッキリとした辛さを。
それぞれ堪能できます。
好みや季節に合わせた楽しみ方ができるので、飲み方で遊ぶのもオススメですよ。
とはいえ冒頭の手書きPOPに書いた『飲み飽きしないお酒』というフレーズは、飲み方の自由を指したわけではありません。
うまみある辛口がスイスイ飲めること。
重みはなく、食事にも合わせやすいこと。
気がつけばグラスが空いていること。
そんな風に飲み進むのが当たり前の1本だからこそ、『飲み飽きしない』というフレーズが浮かんできました。
静かにうまい酒の尊さが、『特別純米酒 うまからまんさく』には詰まっています。
『特別純米酒 うまからまんさく』のインスタグラムでの口コミは?
さて、インスタグラムに投稿されていた方々の感想は、どういったものが多かったのでしょうか。
一部抜粋してみていきましょう。
- スッキリと飲みやすいですが、お米の旨みがしっかりしてます
- すっきり旨口で、気軽に飲める
- しっかりとした旨味とコク! 料理を引き立てますね
- ロックにすると旨口が前に出てきながら淡い香りとほのかな甘味
- 旨味が強いので、味の濃い肉料理などにも負けず、味の相乗効果が期待できます
- 燗冷ましにて刺身によく合いました
- 食べ物も温度も選ばない万能選手
- 派手さはないが抜群の安定感を誇る、いぶし銀のベテランのようなお酒
- 冷やからぬる燗まで楽しめる
- 水がいいのか、透明感があってクセがない
口コミを拝見していって気づいたのは、県外の方のレビューが多いことです。
県外の居酒屋さんで『秋田の日本酒』として入荷しているパターンが多く見受けられました。
また、秋田出身の方が県外で飲まれているパターンもいくつかありました。
地元を思い出す酒。
まさに『地酒』ですね。
そしてもうひとつ。
『オンザロック』
これには本当に驚きました。
原酒や古酒などはロックで飲まれることが多いのですが、それは高いアルコール度や濃すぎるうまみを『ならす』ためです。
なので、ただの特別純米酒をロックで飲むというのは考えたこともありませんでした。
『オンザロック』は、私というひとつの投稿だけでは絶対に出てこなかった感想です。
口コミをまとめると気付きが大きいですね。
この感想をあなたに伝えられてよかったです。
『特別純米酒 うまからまんさく』の商品情報
- 原料米:吟の精、秋の精
- 精米歩合:55%
- アルコール分:16%
- 日本酒度:+8
- アミノ酸度:1.5
- 使用酵母:協会9号
- 分類:特別純米酒
※火入れのお酒なので、冷暗所での保管ができます
豆知識:ヤングジャンプコミックス『いっぽん‼~しあわせの日本酒~』の第1話にも登場
『いっぽん‼~しあわせの日本酒~』とは、人気が下火となった百貨店が舞台の、日本酒をテーマにした再生物語です。
百貨店のなかでも、舞台は『新設された日本酒部門』がメイン。
訪れる客にはさまざまなドラマがあり、主人公は彼らの心を満たす1本を見つけるために走り回ります。
そんな『いっぽん‼』の第1話をかざったのが『特別純米酒 うまからまんさく』であり、『日の丸醸造』なんです。
内容を語るわけにはいかないので、そこにあった想いだけお伝えしておきます。
まず『日の丸醸造』の方々が、つくった日本酒を我が子のように思っていること。
そして蔵元にとって、『販路を拡大する』とはどういうことなのか。
それらの想いは、日本酒好きの胸を打つものでした。
背景が見えれば、顔が見えます。
顔が見えれば、親しみを覚えます。
そして親しみは、温かみを感じさせてくれます。
「うまい」だけではない感情が、日本酒をもっと楽しくさせてくれます。
『いっぽん‼』自体は残念ながらもう打ち切りになってしまいました。
ですが、全3巻のなかに登場した日本酒は、いずれも興味深いものばかりです。
あの日本酒はお客さんのどんな心に寄り添ったのか。
このお酒にはどんなエピソードがあったのか。
ぜひ一度、読んでみてくださいね。
まとめ:『特別純米酒 うまからまんさく』は雑味のない、うまみある辛口
実は私、1本の日本酒に対してこれほどの長文を書いたのは久しぶりだったりします。
それだけうまかった。伝えたかったんだろうなと思います。
実際、飲み進めるペースがちがいました。
私はそれほどお酒に強い人間ではありません。
四合瓶を空けるのにも1週間はかかってしまいます。
そんな私が、たった2日で飲みきってしまったんです。
その事実はどんな「おいしい」よりも説得力があるのではないでしょうか。
やっぱり好きです、うまからまんさく。
ごちそうさまでした!