『純米大吟醸 萌芽 吟の精』の感想・評価:静かにうまく、ほのかに渋い

大納川天花(大納川)
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こんばんは、いしかわです。

 

大納川から新ブランドとして発売された『萌芽』ですが、早くも第2弾が発売されましたね。

第1弾の秋田酒こまちの発売は、10月25日。

対して第2弾の吟の精は11月8日と、わずか2週間での発売です。

 

そのため、まだ第1弾すら飲んでいない。

気になってたけど、もう次??

 

という方も多いのではないでしょうか。

正直、私も、リーフレットを読んでいなければこんなに急ぎで追いかけてなかったかもしれません。

ですが、これもひとつの縁です。

私が出会えたのも縁ですし、あなたに読んでいただけるのも素敵なご縁です。

 

ということで、萌芽の第2弾。

さっそく紹介していきますね。

それでは、いってみましょう。

 

『萌芽 吟の精』ってこんなお酒

まずは少しだけおさらいです。

『萌芽』シリーズは、大納川の副杜氏である『鈴木圭』氏による新ブランド。

鈴木圭氏は、5年前に亡くなられた浅舞酒造の森谷杜氏のお弟子さんです。

 

第2弾までで共通しているのは、森谷杜氏ゆかりの原材料。これもまたご縁と言えばいいでしょうか。

秋田酒こまち、吟の精ともに、森谷杜氏のご子息が営む『㈱a-base』で栽培したものを使用しています。

酵母も、森谷杜氏が得意としていた『AK-1』を採用しています。

大納川の副杜氏として、というよりは、亡き師の弟子として。

そんな色が見える1本です。

 

さて、そんな『萌芽』シリーズですが、吟の精はというと『やや辛口』。

日本酒度は+2です。

甘口なイメージのある天花シリーズとはまた違った顔を見せます。

実際に飲んでみると、こんな印象を受けました。

 

『萌芽 吟の精』を飲んでみて

この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。

 

“グレーなうまみにほのかな渋み”

 

まずは冷蔵庫から出してすぐのものを試飲したのですが、この時点ではだいぶ硬い味わい。

いっしょに試飲した方と顔を見合わせて、

 

「あれ?」

 

という表情を交わしました。

味わいこそ吟の精らしく灰色のうまみでしたが、とにかくそこから開かなかったんです。

なので、よくいえばスッキリ。

ハッキリいえば、物足りない味わいでした。

買うつもりで店を訪れたのに、直前になって悩むレベルでした。

 

ですが、ちょっと考えてみたんです。

温度で開くんじゃないか、と。

まだ感想を終えるべきではない、と。

 

そうして購入し、室温に戻してみました。

すると、個人的にはこれが大正解で!

ふわっとグレーな舌触りに、しっとりとうまみ。薄味のようでしっかり来るうまみがいいんです。

キレ上がりも強くないので、ほのかな渋みと合わさって後味がスッキリしています。

しかも何杯飲んでも疲れないし、飽きもきません。

 

食中酒としてはもちろん、単体でもずっと楽しめる1本でした。

 

第1弾の秋田酒こまちとどちらが好みかと問われれば、本気で悩みます。

どちらも飲み飽きない。するするいけます。

ただ、秋田酒こまちは秋田ではなじみが深く、どの蔵が突出しているとは言えないほど拮抗しています。

なので、あえて『萌芽』でなくても……

という気持ちもあります。

 

とはいえ、吟の精もまた秋田酒こまちの前に主流だった酒米です。

なじみといえば負けないものがあります。

 

ということで、甲乙つけがたし!

 

『選べない』で逃げさせていただきます(笑)

 

『純米大吟醸 萌芽 吟の精』の商品情報

  • 原料米:㈱a-base特別栽培『吟の精』100%
  • 使用酵母:AK-1
  • 日本酒度:+2
  • 酸度:1.6
  • アミノ酸度:0.9
  • 参考価格720ml:1980円

 

まとめ:新ブランド、早くも第2弾。食中酒でも単体でも。

第1弾、第2弾ともに、最初の印象は「ちょっと物足りない」でした。

が。

しかし。

But!

それが飲み進めていくうちにどんどん覆ってきて、気がつけばグラスが進んでいました。

 

クラフトサケのようにピンと跳ねる衝撃はありませんが、静かにうまい。

その静かなうまさに、飲めば飲むほどハマっていく。

令和らしく、軽さのなかにあるうまみがいい1本です。

 

キンキンに冷やすと味わいが硬いので、ボトルに水滴がつくくらいの温度。あるいは、もう少し放置してもいいかもしれません。

お好みの開き具合で楽しんでみてくださいね。

 

ごちそうさまでした!

 

第1弾はこちら↓

 

「純米大吟醸 萌芽 秋田酒こまち」の評価・感想:ほっこりする新ブランド

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