こんばんは、いしかわです。
寒い日が続くと熱燗が恋しくなりますよね。
キンキンに冷えたグラスよりも、湯気立つとっくり。
見ているだけでも暖がとれるというものです。
特に、鍋の日。
最高ですよね。
というわけで今回は、秋田の日本酒のなかでも熱燗向けの5本を紹介していきます。
それでは、いってみましょう。
熱燗で飲みたい秋田の日本酒その1、『天の戸 精撰 純米酒』(浅舞酒造)
まずはこの1本。
実は、秋田県内限定販売という噂もあります。
『天の戸 精撰 純米酒』
この1本を語る上でぜったいに外せないのが、『コスパ』です。
なんと720ml:770円(税抜き)。
味わいはというと、この価格にしては見事としか言えません。
ですが、驚きは燗にしてさらに増すんです。
“この価格にしては”という枕詞が吹き飛びます。
急にくる寒さを、飲む暖で。
ぜひどうぞ。
熱燗で飲みたい秋田の日本酒その2、『天の戸 純米吟醸 五風十雨』(浅舞酒造)
2本目もおなじく天の戸からです。
『五風十雨』は、精米歩合50%の純米吟醸。
つまり、純米大吟醸クラスのポテンシャルを秘めた1本です。
色味はややコハク色で、落ちついた味わい。
舌ざわりはまろやかで、しっとり舌になじみます。
この油分を錯覚するほどのまろやかさは、この冬、一飲の価値ありです。
熟成されたうまみは燗でさらに増すので、まさに“燗向けの酒”なのだと感じさせてくれますよ。
ちなみに筆者は、常温でもおいしいと感じました。
寒晴れの日に飲みたくなりますが、季節問わずとも楽しめる1本です。
見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。
熱燗で飲みたい秋田の日本酒その3、『うまからまんさく 特別純米酒』(日の丸醸造)
3本目は、『まんさくの花』で有名な日の丸醸造さんから。
この1本、控えめに言って“化け物”です。
なぜならどの温度帯でもおいしいから。
いつ、どのタイミングで飲んでもおいしいんです。
味わいは、+8度の大辛口。
辛さのなかに確かなうまみがあるので、透明ではない舌ざわりがあります。
それなのに、雑な味わいがないんです。
まさに、“うまから”。
うまくて、辛い1本です。
POPにも書きましたが、私にとっては常備しておきたい日本酒ナンバーワンでもあります。
季節問わず買えて、春夏秋冬いつでもうまい。
食事にも合わせやすく、価格もリーズナブル。
正直、ほんとうに大好きな日本酒です。
ぜひ。
ぜひぜひ。
ぜひ、どうぞ。
熱燗で飲みたい秋田の日本酒その4、『裏銀紋』(両関酒造)
4本目は、あの『花邑』で有名な両関酒造さんから。
「両関で熱燗なら『銀紋』でしょ。わかってないなぁ」
という声が聴こえてきそうですが、ここはあえて『裏』の方をオススメさせていただきます。
なぜなら、シンプルにうまいから。
5本紹介したあとで熱燗の温度について触れますが、どの温度帯でもいけます。
熱すぎても、ぬるいくらいでも、おいしいんです。
ちなみにこの『裏銀紋』ですが、アッサンブラージュという技法がつかわれています。
アッサンブラージュとは、ブレンドを意味する言葉。
3種のお米が記載されているので、これをお米のブレンドと捉えるか。
あるいは、“できあがったお酒をブレンドしたもの”という意味なのかは定かではありません。
ただ、ひとつだけ言えることがあります。
それは、つかわれたお米が酒米ではなく『飯米』だということ。
そしてそれが、味わいに見事に反映されているということです。
(どう見ても2つ言ってます)
特に、燗で飲むと香りによく表れます。
炊いたお米感。
『華やかさ』や『爽やかさ』とはいっさい無縁で、代わりに『安心感』が前にある1本です。
発売当初に比べると値段は上がってしまいましたが、今でもコスパに優れた1本となっています。
見かけたらぜひ、お試しあれ。
熱燗で飲みたい秋田の日本酒その5、『雪の茅舎 山廃本醸造』(齋彌酒造店)
5本目は、2021年の暮れに出会った奇跡の1本。
「毎日飲むなら結局、こういうのがいいんだよ」が、この日本酒に集約されています。
難しく考える必要のない味わい。
720ml:1,320円という高いコスパ。
燗で大化けするうまみ。
日本酒に『挑戦』というジャンルが生まれ、さまざまな試みが溢れる昨今。
ただシンプルに、伝統の刃を研いできた1本があります。
正直に言って、盲点でした。
このブログをやっていなければ、絶対に買うことはなかったはずです。
少なくとも『季節限定』や『数量限定』を追いかけていた頃は、気づきませんでした。
近すぎて見えない酒。
まるで青い鳥であるかのような1本です。
筆者のイチオシはこちらの1本
ここまで5本の日本酒を紹介してきましたが、1本選ぶとすれば難航します。
なぜなら、しぼってしぼってしぼっての5本だからです。
ですが、あえて選ぶのなら。
あえて選ぶのであれば、私はこれを選びます。
“うまからまんさく 特別純米酒”
もうね、これは万能選手です。
燗でよし、冷やしてよし、常温でもよし。
1年を通して飽きることのない純米酒です。
温めたらダメだった、冷やしたらダメだった。なんてことにはなりません。
冬でも冷やして飲みたい日はあるはずです。
夏でも熱燗。
そんな日があったっていいんです。
『うまからまんさく 特別純米酒』は、あなたの気持ちに応えてくれる1本ですよ。
日本酒の温度とお手軽な燗のやり方
最後にサクサクっと、日本酒の温度による呼び方をおさらいしておきましょう。
熱燗には5℃ごとに名称があります。
- 30℃~【日向燗】
- 35℃~【人肌燗】
- 40℃~【ぬる燗】
- 45℃~【上燗】
- 50℃~【熱燗】
- 55℃~【とびきり燗】
なのでよく使われている『熱燗』とは、50℃~55℃までの状態を指す言葉なんです。
「えっ? 知らなかった」
という方も多いかもしれません。
ですがこれ、大きな声では言えませんが、忘れてもいい知識です。
だって、大抵の居酒屋さんには『熱燗』としか書いてないですし、自宅で楽しむなら細かいことは気にしたくありません。
きき酒師のいるお店であれば、尋ねればいいだけです。
「おすすめの温度ってありますか?」
と。
なので、「へぇ~、そうなんだ」程度で十分だと思います。
そして肝心な、燗の方法です。
熱燗と聞くと、徳利をお湯につけている景色が思い浮かびますよね。
でも、自宅で湯煎って面倒。
その「めんどくさい」こそが、自宅で燗を遠ざける大きな理由かもしれません。
なので、ゆるっとやっちゃいましょう。
“レンジ燗”
電子レンジでチンするだけの、超お手軽な燗づけ方法です。
1合(180ml)の場合はこんな感じ。
- 熱燗(約60秒)
- ぬる燗(約50秒)
※いずれも500Wのレンジの場合
レンジ対応の容器が必要になりますが、自宅なので湯呑みでも十分です。
「お猪口しかないんだけど」
という方は、マグカップでチンしてみてください。
お猪口に注ぐときはどうしてもちょっとこぼれるので、そこだけ気をつけてくださいね。
熱燗がおすすめな秋田の日本酒5選:まとめ
燗向けのお酒ということもあり、華のあるデザインのものはなかったかもしれません。
ですが、質実剛健。
燗向けのお酒には、飲んでわかるうまさがあります。
コスパに優れたお酒も多いので、ぜひ、あまり難しく考えずに検討してみてくださいね。
寒い日が続いています。
どうかお身体に気をつけて、温かい夜を過ごしてくださいね。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
いしかわでした。