『特別純米 うまからまんさく ひやおろし』の感想・レビュー:旨辛さが、乗る

まんさくの花(日の丸醸造)
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こんばんは、いしかわです。

 

どっちが好きかと言われれば2時間は悩みます。

通年品とひやおろし。

どちらも個人的には、常備しておきたい秋田の日本酒第1位です。

「どちらか選べ!」と圧をかけられても、日によってちがう方を選ぶかもしれません。

それくらい選べない。

語り始めればうるさくなる1本です。

 

ちょっとだけ詳しく見ていきましょう。

 

『特別純米 うまからまんさく ひやおろし』ってどんなお酒?

私に欠かせない1本です。

 

-完-

 

いや、ちがうんです。ちょっと待ってください。まだ戻らないでください。本当にすみません。お願いします。

 

『特別純米 うまからまんさく ひやおろし』は、横手市の日の丸醸造がつくる『秋限定』の1本です。

特筆すべきは酒米でしょうか。

使用米の一部には『秋の精』がつかわれています。

 

『秋の精』は『トヨニシキ』と『美山錦』を親にもつ、秋田県固有の酒米です。

『吟の精』とともに平成初期の秋田を彩ってくれたのですが、『秋の精』にはデメリットがありました。

それは、扱いの難しさ。

雑味が出やすいとされ、少しずつ敬遠されていったのです。

そのため今では希少米に。

すっかり見かけることのない酒米となってしまいました。

 

その酒米を日の丸醸造が、現代の吟醸づくりで仕込みます。

 

精米歩合は55%で、日本酒度は+9.5。

酸度は1.8です。(いずれも2025年の数値です)

 

はたして、その味わいやいかに。

 

『特別純米 うまからまんさく ひやおろし』を飲んでみて

この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。

 

“好き”

 

いや、ちがうんです。ちょっと待ってください。改めていきましょう。

この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。

 

“味乗りした『うまからさ』が、いい”

 

香る酸からすでに美味く、飲まずとも辛口を感じます。

口当たりはまったり。

酸が強くてしっかり主張してきますが、包み込むような『うまからさ』が調和させてくれます。

 

この『うまからさ』。

『うまくて辛い』という感覚がいいんです。

辛いだけで終わらない、うまみある辛口。

その味わいは『秋の精』でつくりあげているのだから驚きです。

 

個人的に『秋の精』をつかった日本酒は、やや重く、ツンとしたうまみがあるように思います。

だから、好みが分かれる。

辛口好きのなかでも分かれる味わいになるかもしれません。

ですがこの『うまからまんさく』には、『重い』がないんです。

あるのは『うまい』。

『うまくて辛い』です。

 

「辛口でおすすめは?」と問われれば、私は『うまからまんさく』を。

このシリーズを推しますよ。

 

『特別純米 うまからまんさく ひやおろし』の商品情報

  • 使用米:秋田県産酒造好適米(一部に秋の精を使用)
  • 精米歩合:55%
  • アルコール分:16度
  • 日本酒度:+9.5(2025年)
  • 酸度:1.8(2025年)
  • 酵母:協会9号

 

まとめ:適温で貯蔵されたからこそできた、旨くて辛いひやおろし

あまり大きな声では言えないのですが、3月頃に通年の『うまからまんさく』を買いました。

が、こうやって日本酒の紹介をしていると、家が日本酒であふれます。

なるべく毎日飲むようにはしているのですが、まったく追いつきません。

果ては知り合いのご夫婦に協力してもらい、8割近くを引き取っていただいてる状況です。

それでも通年品には手がつかず、飲みきれていないほどでした。

3月に買った『うまからまんさく』もそう。

床下収納でしばらく眠っていて、『ひやおろし』の発売で「そういえば……」と気づいた次第です。

 

ところがどっこい。

そのとき、いしかわに電流が走ります。

 

「ひやおろしと飲み比べてみればいいのでは?」

 

早速やってみると、当たり前ですが全然ちがいました。

『ひやおろし』の方が確実に味がきれい。

品質をまったく落とさずに、味を乗っけていたんです。

対する通年品。床下で眠っていた『うまからまんさく』は熟成にクセがあり、注いだときの色も濃かった。『味が落ちた』と感じました。

完全に私の落ち度なので、『落ちた』ではなく『落としてしまった』が正解です。

いちばんうまい状態で飲んであげられなくて、お酒にも酒造にも申し訳ないことをしてしまったと思います。

ただ、この経験から言わせてください。

 

『ひやおろし』は、プロによる貯蔵です。

最高の状態で発売されて、“今がうまい”1本です。

なので『ひやおろし』は“今”です。

ぜひ秋を越えずに今、この瞬間で楽しんでくださいね。

 

それでは今回はこのへんで。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

ではでは。

 

※おすすめの秋酒でまとめてみたので、お手すきの際にでも読んでみてね。

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