こんばんは、いしかわです。
1月に水色の角右衛門あれば、3月に桃色あり。
ファンの中でも1、2を争う人気の1本。『ピンカク』こと、ピンクの角右衛門を飲んでみました。
商品の前情報なしで飲んでみたので、酒米からすでに驚いています。
正直、意外でした。
ですがそんなことより、人気の理由が一口目から伝わってきたので、早く書きたくてウズウズしています。
もうね、前置きはこのくらいにしてさっさといきましょう。
れっつごー!
『角右衛門 超速即詰(ピンカク)』ってこんなお酒
毎年大人気の『ピンカク』はその名のとおり、しぼったお酒を即びん詰めして生酒のまま出荷した1本です。
精米歩合は55%ですが、分類は『特別純米酒』。
酒米には『吟の精』と『ぎんさん』が使われています。
この『ぎんさん』が正直、意外でした。
というのも『ぎんさん』って、爛漫さんが主に使っているイメージ。大納川さんにも『ぎんさん』を使ったペリカンラベルがありましたが、そちらはいま『あきたこまち』に代わっています。
木村酒造さんでも『福小町』の特別純米酒に使っていますが、あちらは秋田県内限定販売。アンテナショップなどでも買える、普段づかいにオススメな日常向けの1本です。
対する『角右衛門』はというと、特約店限定のブランドになります。
勝手なイメージですが、特約店限定のお酒で『ぎんさん』を使っているものってあまりない気がしていたんですよね。
なんとなく、“安価で大きく仕込むための酒米”というイメージがあったんです。
気を悪くされた方がいたらすみません。
ただ、そのイメージがあったおかげで、この『ピンカク』にはワクワクが止まりませんでした。
さて、そんな『ピンカク』ですが、特筆すべき点がもうひとつあります。
それはアルコール度です。
実は『ピンカク』……
“17度”あります。
意外と高いんです。
さらにそこに、品評会用として名高い1801酵母が加わります。
こうなるともう味の想像がまったくできません。
飲まねばわからないのです。
ならば、飲むしかありますまい。
『角右衛門 超速即詰(ピンカク)』を飲んでみて
この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。
“口当たりのパレード”
やや大味ながらも青リンゴのような香り。
この香りがガスに乗ってしっかりと舞います。
口当たりはやわらかくもどこかグレーで、透明感はありません。
舌に乗るのはガス、苦み、アルコール感、そして若々しさ。
鮮やかな甘みとグレーな旨みがとにかくにぎやかで、1月発売の『水色ラベル』とは真逆をいきます。
あちらが『静』なら、こちらは『動』です。
『水色ラベル』はしんしんと降る雪景色とともに飲みたい1本でしたが、『ピンカク』は春風とともに。
1人よりも、みんなで。
おもわず外で飲みたくなる、重い腰が軽くなる1本でした。
全体とおして感じたは、やっぱり“若々しさ”でしょうか。
ガスに押し出される苦みのうまみ。
この引き締めが楽しくて、そして大人でした。
この味わいのパレードは、ファンでなくても一飲の価値ありですよ。
『角右衛門 超速即詰(ピンカク)』の商品情報
- 使用米:麹米『吟の精』・掛米『ぎんさん』
- 精米歩合:55%
- 酸度:1.5
- アミノ酸度:1.4
- 日本酒度:-0.5
- アルコール度:17度
- 酵母:協会1801号酵母
- 参考価格720ml:1,730円
まとめ:『ピンカク』は冬の終わりを告げる。にぎやかで晴れやかな1本。
時期の都合でかならず引き合いに出される『水色ラベル』こと、角右衛門の『無圧上槽 中汲み』。
あちらは圧をかけずにしぼることで“やわらかさMAX”な1本でした。
対する『ピンカク』は、しぼって即詰め。
通常だとオリがタンクの底に沈みきってからビン詰めするのですが、こちらは『即』です。
なので“新鮮さMAX”な1本になります。
どちらも違ってどちらも良いのですが、あえて片方選ぶなら。
片方を選ぶのであれば、私は沈黙します。
選べません(笑)
どちらも季節感MAXの1本なので、味うんぬんよりも季節を味わっているのだと思っています。
なので、二者択一はあなたの手で。
では、私は逃げます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは!
※『無圧上槽 中汲み』の紹介はこちら