こんばんは、いしかわです。
はじめて見た時はどこが名前なのかわかりませんでした。
『山本酒造店』
「ものすごい冠を背負わされた酒が出てきた!」と思ったものですがこの1本、背負うだけの味わいがあったんです。
ちょっと詳しくみていきましょう。
『山本酒造店 純米大吟醸 NorthernRiver』ってどんなお酒?
この1本、けっして『山本酒造店』の名を語る不届きものではありません。
れっきとした『山本酒造店』がつくる純米大吟醸です。
発売は2024年とごく最近。
もともとは、秋田県酒類卸が主催する『美酒王国秋田便』のためにつくられた1本でした。
美酒王国秋田便とは、コロナ禍の2020年より始まった秋田の酒蔵応援キャンペーン。
パンフレットにある酒のなかから2本を選んで申し込むと、県内の名産品がおまけで付いてくるという企画です。
コロナの収束とともに企画は終了(?)しましたが、2024年、能登の復興支援を目的に復活しました。
その際は企画の形が変わり、参加したのは県内6蔵です。
初仕込みの新酒を6本セットでの販売でした。
そのなかの1本こそが、今回の1本。
『山本酒造店 純米大吟醸 NorthernRiver』です。
酒米には『秋田酒こまち』を使用し、酵母は『こまち酵母R-5』が選ばれています。
日本酒度は-1と甘口で、『山本』にありそうでなかった1本です。
『山本』でも『白瀑』でもない、『酒造そのもの』の名を冠した純米大吟醸。
さっそく飲んでみましょう。
『山本酒造店 純米大吟醸 NorthernRiver』を飲んでみて
この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。
“遊びがない”
なんて真面目な1本なのでしょう!
丸くてやさしい、甘い香り。
とにかく口当たりがいいです。
ぶわっとくる華やかさはないのに、不思議と前をゆく華やかさ。
甘みのカドが取れているのでまったくクドさがありません。
しかも後味が、秋田酒こまちらしく消えていくんです。
この跳ねないのに退屈しないうまさ。
いくらでも飲める味わいです。
これは万人受け待ったなしですよ。
『山本酒造店 純米大吟醸 NorthernRiver』の商品情報
- 使用米:秋田酒こまち100%
- 酵母:こまち酵母R-5
- 精米歩合:50%
- アルコール分:15度
- 日本酒度:-1
- 酸度:1.6
- 参考価格720ml:2,200円
まとめ:単品での発売がうれしい、いい意味で遊びのない1本。
『山本』といえば超辛口の『ど辛』や、日本刀のようなキレ味を意識した『ピュアブラック』。
美郷錦の『フォレストグリーン』など、後味の『キレ』や『消え』に山本らしさがあるように思います。
日本酒度でみれば『ど辛』は+15ですし、ピュアブラックも+6前後です。
そのため、やっぱり『辛口』の印象がありますよね。
そんななか現れた-1度の甘口。純米大吟醸。
「何かあるのではないか……」
飲んでみるまでは勘繰るものがありました。
ですが、飲んでみて。
飲んでみると、遊びがないんです。
ただ単に、うまい。
個性的なネーミングで酒づくりをされている山本において、この『普通にうまい』という衝撃。
そして、その衝撃すらも置き去りにする『普通にうまい』といううまさ。
なんでしょうね、この1本。
オススメするべきか、否か。
『山本』だからこそ悩んでしまう、うれしい誤算な1本でした(笑)
2000円を超える1本なので、買ってほしいとは言いません。
ですが、もし飲めるお店があったのなら。
ぜひぜひ飲んでみてくださいね。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは。
※『ピュアブラック』と『ど辛』の記事も置いておきますね。