こんばんは、いしかわです。
今回は、令和はじまりの年に『世界酒蔵ランキング6位』に輝いた『天寿酒造』のスタンダード。
『天寿 純米酒』を紹介していきます。
『天寿』に込められた意味や、どんな日本酒なのか。
そして、どんな味わいに感じたのかを伝えていきますので、最後まで楽しんでいってくださいね。
それでは、いってみましょう。
『天寿 純米酒』ってどんなお酒?
『天寿 純米酒』は由利本荘市の天寿酒造がつくる、シリーズでももっともポピュラーな1本です。
天寿酒造の歴史は古く、創業は1874年。
約150年の歴史、伝統を兼ねそなえた秋田の古豪です。
『天寿』に続く言葉といえば、『全うする』ですよね。
『天から授けられた寿命を全うする』
転じてこの酒銘には、こんな願いがこめられています。
“顧客が長生きしますように”
酒は百薬の長という言葉がありますが、『天寿』はまさに“人を生かす”ための1本。
飲んだ人を幸せにするための酒造りが、天寿の根幹にはあります。
そんな『天寿』のスタンダード。『純米酒』ですが、伝統的だけで終わる日本酒ではありません。
その実績は現代でも鋭く輝き、直近のものだと、
- 全国燗酒コンテスト2020 プレミアム燗酒部門『金賞』
- インターナショナル・サケ・チャレンジ2020『金賞』
など、めざましいものばかり。
とくに燗酒コンテストの成績は、飲み方の幅を広げるものです。
飲み方の自由度が高いということは、よりコスパに優れた1本といえますよね。
とはいえ。
とはいえ、です。
やはりクラシカルな日本酒となれば、構えてしまいますよね。
重い、強い、濃い。
さまざまな不安があるかと思います。
実際、私がそうでした。
どうしても食指が動かない。
クラシカルなお酒は何度も好みから外れているので、戦々恐々でした。
なので、クラシカル=マイナスなイメージが付いて離れません。
そんな私の感想がどう着地したのか。
ご覧ください。
『天寿 純米酒』を飲んでみて
この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。
“酒質はやわらかいけど、酸が主張してくる”
香りからはやや生酛感。
ヨーグルトのような酸が奥から上がってきて鼻をくすぐります。
味わいからは、ジリジリとした酸味。そしてうまみ。
後味がクリアーなので飲みやすさがあります。
舌に乗る感覚はやわらかく、軽いです。
ただ、酸が主張してくるので強い味わいに感じます。
とはいえ、主張といっても無理難題のゴリ押しではありません。
あくまでも癖の少ない酸味。
主張が苦には感じませんでした。
全体とおしてやや曇った酸がありつつも、うまみとやわらかさで飲みやすいです。
定番商品だから『普通』……ではなく、そこで終わらない個性。
世代が上がれば、刺さる方はもっともっと増えるのではないかと思います。
また、『熱燗』が美しい味わいでした。
酸味がおだやかになるので、うまみがよく伸びます。
辛さは感じず、表に出るのはもともとの甘み。
この甘みをおいしいと感じるかで感想は変わってきそうです。
ちなみに私は、熱燗のほうが好みでした。
『天寿 純米酒』の商品情報
- 使用米:契約栽培酒造好適米
- 精米歩合:65%
- アルコール分:15度
- 使用酵母:協会9号
- 日本酒度:+3.5
- 酸度:1.4
まとめ:若い世代よりは40代以上。古豪が送る、飲み慣れた方向けの1本
正直にいえば、若い世代にはまだ早いかなと感じました。
この1本は、クラシックとモダンのあいだ。
古くはないけど新しくもない。
これから日本酒を飲む世代にはまだ早く、フリークの目には映らない。
そのかわり、固定客の心はガッチリと掴んでいる。
むしろ、その『固定客』のために造っているお酒という印象を受けました。
人の好みは年月とともに変化します。
令和の酒を飲んできた世代が、いつか『固定客』とおなじ年齢層になったときにどう感じるのか。
『天寿 純米酒』は、日本酒好きが長く付き合うことになりそうな1本です。
今のあなたがどう感じるのか。
そして、10年後。
あなたはどう感じるのか。
好みの移り変わりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは。
※熱燗でおいしい秋田の地酒をいくつか紹介しているので、あわせて読んでみてね。