『太平山 純米吟醸55』の評価・レビュー:純米吟醸として見なければ……

太平山(小玉醸造)
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こんばんは、いしかわです。

 

ずっと気になっていたけど、恐ろしくて手が出なかった日本酒があります。

なぜならそのお酒は、とにかく安い。

 

「安い日本酒なんていっぱいあるじゃん」

 

と思ったかもしれませんが、そのお酒はちょっとだけ特殊なんです。

なんと、純米吟醸にして1,265円。

しかも税込み価格です。

ちょっと安すぎて不安しかありませんでした。

 

そうして、「いつ買おう?」が「いつか買おう」に変わって幾星霜。

ついにきっかけを得たので、感想を書いていきます。

それではいってみましょう。

 

『太平山 純米吟醸55』ってこんな日本酒

『太平山 純米吟醸55』は潟上市の小玉醸造が、

 

『純米吟醸をもっと身近に感じてほしい』

 

という願いを込めた1本です。

そのため、安価なのは願いゆえ。

1300円を切る価格に抑えられています。

 

使われている酒米の開示はありません。

酒造好適米を55%まで磨いた、スタンダードな純米吟醸です。

 

そして、なんとこの1本。

情報がありません。

ここまでに書いたものでほぼ全部となります。

なので、あまりにも寂しいのでちょっとだけ豆知識を挿れさせてください。

 

『太平山 純米吟醸55』はシール型のラベルではなく、プリント瓶が採用されています。

デザインは5本線が斜めに走るものなのですが、ぜひ、この5本線の長さを計ってみてください。

というのもこの長さには、小玉醸造のこだわりが詰まっているからです。

私はその説明を読んだとき、「へぇ!」と声が出ました。

 

とはいえ、もったいぶって答えを避けるわけにはいきません。

定規を持ってスーパーに行く人はいませんしね。

ここで答えを伝えちゃいます。

実はこのラベルの5本線……

 

“55mm”

 

あります。

このこだわり!

神は細部に宿ると言いますが、まさにです。

静かなこだわりがプリント瓶に刻まれていました。

 

『太平山 純米吟醸55』を飲んでみて

この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。

 

“純米吟醸として見なければ……”

 

香りからは乳酸菌を感じる香り。

ヨーグルトのような、酸っぱくもまろやかな香りがあります。

 

飲み口は、水のよう。

薄いと言えばいいでしょうか。

そのため、うまみがどんどん霞んでいきます。

 

さらに特筆すべきは『苦み』です。

霞んだうまみに“さらりとした苦み”がよく乗ります。

口に含んですぐに感じるものなので長いです。

この『さらりとした苦み』をどう感じるか。

それが『太平山 純米吟醸55』の感想の分かれ道になるかと思います。

 

個人的には、純米吟醸として見るならばもう買うことはありません。

ただ、あくまでもコスパで選ぶのなら。

 

「熱燗用として買うかも」

 

といった感じです。

なので、あえて買うタイミングをどこに置くのか。

人によってはそれが非常に難しい1本でした。

 

『太平山 純米吟醸55』の商品情報

  • 使用米:酒造好適米100%
  • 精米歩合:55%
  • 日本酒度:非公開
  • 味わい:中口

 

まとめ:純米吟醸として見なければ……

実際に飲んでみて感じたのは、『言葉がもつ力』です。

 

たとえば『コスパが良い』と聞くと、自然と評価はやわらかくなりますよね。

「この安さでこの味なら……」と、妥協点を設けてしまいがちです。

 

ですが、『純米吟醸』。

この言葉に妥協はしたくありません。

純米吟醸にはピンからキリまであって、人にはそれぞれ『好みの純米吟醸』があるはずです。

人には人の基準があるんです。

 

「純米吟醸ってこうだよな」

 

そう考えるとこの『太平山 純米吟醸55』は、『こう』まで行ってなかった。

数百円プラスしてでも飲みたいお酒を選んだ方がいい。

私には率先して買う理由が見つけられませんでした。

 

ただ、おなじプリント瓶でも、もしあなたの最寄りのスーパーに『太平山 純米大吟醸40』があるのならば。

ぜひ手に取っていただきたい。

こちらは本当にすごいお酒です。

こちらもコンセプトが近く、『純米大吟醸をもっと身近に感じてほしい』という願いから生まれました。

秋田酒こまちを40%まで磨いた、たいへん品ある1本です。

『コスパ』と『味わい』のバランスがお見事な純米大吟醸ですよ。

 

それでは今回はこのへんで。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

ではでは。

 

※個人的にオススメな日本酒でまとめているので合わせて読んでみてね。

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