【純米吟醸 桜名月】早咲きの桜。掛け値なしにおいしい1本【評価・レビュー】

純米吟醸 桜名月の感想・レビュー 一白水成(福禄寿酒造)
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こんばんは、いしかわです。

 

この1本、知らずに過ごすなんてもったいない。

飲まずに過ごすなんて、もっともったいない1本です。

導入の文章など早々に切り上げて、ちょっと詳しくみていきましょう。

 

『純米吟醸 桜名月』ってこんなお酒

『純米吟醸 桜名月』を語る上で、覚えて帰ってほしい単語が3つあります。

 

  • 井川町
  • 福禄寿酒造
  • ハナキン桜庭編集部

 

かつて酒米の産地だった井川町に、ふたたび生産の灯を。

『桜名月』は、

 

『井川町』の農業法人ローカルフレッシュが栽培する『秋田酒こまち』を、

一白水成で有名な『福禄寿酒造』で醸し、

エフエム秋田『ハナキン桜庭編集部』のパーソナリティがサポートすることで生まれました。

 

本職でもないラジオパーソナリティがサポートと聞くと、宣伝や営業をイメージするかもしれません。

ところが実際は、そのイメージの真逆をいきます。

ラジオパーソナリティの桜庭みさお氏、真坂はづき氏、椎名恵氏の3名が、酒づくりだけでなく、米づくりの段階から携わっているんです。

『種まき』から『ラベル貼り』までと考えると、いったいどれほどの時間を『桜名月』にあててきたのか。

きっと『サポート』なんて一言では表せないほどの苦労があったのだと思います。

 

そんな桜名月も、2024年で8年目となります。

1回限りの企画で終わらないのは、紛れもない人気があるから。

 

  • 井川町酒米復活プロジェクトを応援する人
  • 福禄寿のお酒が好きな人
  • ハナキン桜庭編集部のメンバーを応援している人

 

そして、『桜名月』の味に惚れた人。

 

私はというと、すみません……味に惚れた人です。

味から入り、それから他の情報を知り心を打たれました。

 

なので、まずは何より味。

いったいどんな味わいの日本酒なのかを語らせてください。

 

『純米吟醸 桜名月』の味はどうだった?

この1本の味わいを一言であらわすのなら、もうこれしかありません。

 

“ど辛(日本酒度+15の超辛口)しか飲まない友人が何度もおかわりした、理想の甘口”

 

飲んだ量こそ、うまさの証!

1日1合ほどしか飲まない私も、1Lほど飲んでしまいました。

 

もうね、おかわりが止まりません。

 

今まで『秋田酒こまち』をつかった良いお酒って、『上品が過ぎる』と感じていました。

ふわっと甘く、きれいに消える。

そんなイメージがずっと付いて回っていたんです。

なので、どこか物足りない。

繊細な味わいに舌がついていかず、強い感想をなかなか出せずにいました。

 

ところがどっこい。

どっこいですよ。

 

桜名月にはなかったんです。物足りなさが。

 

最初のひとくちこそ甘みを強く感じましたが、舌が慣れる頃には良い塩梅に。

凛とした甘みがふんわりと広がって、すぐに消えていきます。

この『ふんわり』の主張がバツグンでした。

印象に残るか残らないかのギリギリでありながら、間違いなく『残る方』にあるんです。

 

さらに特筆したいのが後味。余韻にあります。

 

カーーッと来るようなキレはありません。

あくまでも『消えていく』という感覚でした。

しかも、消えていく間にいくつもの味わいがあるんです。

酸味、苦み、渋み。

若い日本酒がもつ『締める味わい』が、桜名月からも感じられます。

 

とはいえ、酸味はともかく、苦み渋みってあまり良いイメージがありませんよね。

センブリや渋柿など、聞くだけで顔をしかめるものだってあります。

少なくとも好んで感じたい味ではありません。

 

が。

しかし。

But!

 

桜名月にはあって嬉しいんですよ。締める味わいが。

 

なにせ酸味、苦み、渋み、どれもが主張をしません。

3つの余韻が控えめで、『ちょうどいい』に落ちついています。

どれが突出しているという感じはありません。

 

なので、めっちゃ心地いい。

違和感なく消えていくのでもっともっと飲みたくなります。

 

桜名月は、物足りないからおかわりするのではありません。

足りないからおかわりしてしまうんです。

スピーチのように持って回った言い回しをしてしまいましたが、それに尽きます。

というわけで、ここまでの感想を一言にまとめてしまいましょう。

 

おいしかった~~!

 

現場からは以上です。

 

『純米吟醸 桜名月』の商品情報

  • 原料米:秋田酒こまち(井川町産)
  • 原材料名:米(井川町産)、米麹(国産米)
  • 精米歩合:50%
  • アルコール分:16度
  • 720ml:1,922円(税抜き)

 

まとめ:早咲きの桜。掛け値なしにおいしい1本

実はこの桜名月、数年前までは『美山錦』でつくられていました。

なので、初めて飲んだときの記憶は『美山錦の桜名月』でした。

そのときの感想は、

 

“やわらかくて、やさしくて、重くない”

 

「いいお酒だなあ」という総括でした。

ですが7年目、『秋田酒こまちの桜名月』を飲むと、感想はさらに上をいきます。

冗談抜きで言わせてください。

 

“2023年に飲んだ日本酒のなかでいちばんおいしかった”

 

本当においしかったですし、何より友人が喜んでくれました。

味わいと場がつくりあげてくれた、私にとって最高の1本です。

 

いつまで続けてくれる企画なのかは今のところわかりません。

でも、もし続くのなら。

来年も再来年も。

10年後もまた「春がきたな」と、届く便りに舌つづみを打ちたいものです。

 

しつこいようですが、最後に一度言わせてください。

 

この『純米吟醸 桜名月』、心からオススメですよ。

 

それでは今回はこのへんで。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

いしかわでした。

 

※飲みやすい日本酒のなかでも取り上げています。合わせて読んでみてね。

 

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