「1500円ほどで買える、今しか飲めない日本酒がほしい」
「暑い日が増えたし、冷やしておいしい日本酒がいい」
この記事は、そんなあなたに向けて書いています。
こんばんは、いしかわです。
秋田県内どこへ行っても買えるのに、どうしてこんなにも六舟はうまいのか。
コンビニで買える日本酒でオススメを問われれば六舟と答えますし、「辛口がいい」と言われれば六舟を薦めます。
それくらい、私にとって六舟は身近な存在です。
さて、そんな六舟から今年も出ました。
“刈穂 夏純米吟醸 六舟SummerMist”(以下、刈穂六舟サマーミスト)
おなじ日本酒は買わないと決めている私が、毎年買ってしまう1本です。
レビュー、商品情報、ラベルに書いてある気になった用語の解説もしていきますので、ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね。
ではでは、いってみましょう。
『刈穂 六舟サマーミスト』ってどんなお酒?
『刈穂 六舟サマーミスト』は、大仙市の秋田清酒から4月末に発売される純米吟醸です。
水色のボトルに水色の文字。そして水色の肩貼り。
まだ桜の頃にいち早く夏を放りこんでくるのが、『刈穂六舟サマーミスト』です。
見ための雰囲気から『生酒』を思わせますが、実は『一回火入れ』のお酒となります。
ちょっとラベルを見てみましょう。『総槽掛け搾り』とあります。
このしぼり方はすこし特殊で、『刈穂』をつくる秋田清酒さんの代名詞とも言えるしぼり方です。
というのもこのしぼり方、機械を使いません。
使うのは、『もろみを入れた酒袋』。
『もろみを入れた酒袋』を何層にも重ねて、上からの重みで少しずつ圧力をかけていきます。
いちばんポピュラーな『ヤブタ式』が機械で横から圧をかける方法なので、その真逆をいく方法なんです。
さらに、しぼりにかかる時間も違います。
なにせ機械のチカラがありません。
あるのは『酒袋の重み』だけ。
機械でプレスしてしぼる『ヤブタ式』よりも、ずっと時間のかかるしぼり方なんです。
ちなみに造りの規模にもよりますが、ヤブタ式は1日あればタンクひとつをしぼり切ることができます。
ところが、総槽掛け搾りの場合は2~3日。
ゆっくりゆっくりと酒袋のスキマから滲み出るお酒が、2~3日かけてようやくビン詰めできる量になるんです。
「じゃあ、早くしぼれるヤブタ式の方がいいんじゃない?」
と思いませんか?
ところがどっこい。どっこいです。
しぼり方って、味に出るんです。
科学的な根拠は不明ですが、圧力をかけないでしぼる程、やわらかい口当たりに仕上がっているように感じます。
「カドがない」
「まろやか」
「丸みがある」
表現の仕方はさまざまあるかと思いますが、総じて言えるのは『やわらかさがある』ということです。
他にも圧力を一切かけない『袋吊り』という方法もあるので、しぼり方の違うお酒で飲み比べてみるのもおもしろいですよ。
『刈穂 六舟サマーミスト』を実際に飲んでみて
この1本、一言であらわすのならこうなります。
“にごりあるのに驚きの透明感。まろやかな辛口に飲みすぎ注意”
どうみても二言です。
通年商品である『六舟 吟醸酒』と比べると、あきらかにまろやか。
薄い“おり”が絡んでいるので、その分うまみがあります。
「辛口!」
というほどの辛口ではなくて、舌によく馴染む辛さです。
「辛ければ辛いほどいい」という方であれば、まだ甘いと感じるかもしれません。
行きすぎた辛口が苦手な私にとってはこの1本、ちょうどいいんです。あんべいいです、すごく。
カーーッと昇るような辛さはなくて、なめらかに消えていく。
『刈穂 六舟サマーミスト』にはいくらでも飲めてしまう魔力があります。
使う酒米に変化があり、やや味わいが濃くなったように感じますが、まだまだ秋田に必須な『夏の霧』。
しっかと季節を感じられる1本です。
『刈穂 六舟サマーミスト』の商品情報
- 原料米:美山錦・ぎんさん
- 精米歩合:55%
- 日本酒度:+4
- 酸度:1.6
- アルコール分:16~17度
- おすすめ飲用温度:よく冷やして
☆参考価格
720ml:1,540円(税込み)
1.8L:3,080円(税込み)
毎年4月下旬の発売で、季節限定、数量限定となっています。
まとめ:うまみ、まろみ、飲みやすさが合わさったフライング気味の夏酒
私がそうなのですが、いくら家飲みを楽しもうと思っても、やっぱり気になってしまうのが価格です。
お店で1杯やるのとは訳が違います。
家で飲むなら1本を買うしかありません。
使える金額だって限られています。
だからこそ、失敗したくない。
できれば安く、できればうまく。
そんな都合のいい条件を求めてしまいます。
その点で言えば、『刈穂 六舟サマーミスト』は1500円ほどで買えるうまい酒です。
スーパーでも買えますし、限定をうたっていますが期間は短くはありません。
なのでこの1本。
控えめに言ってオススメです。
ぜひぜひ、普段の買い物のついでで手に取ってみてくださいね。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
いしかわでした。
※飲みやすい日本酒でまとめているので、こちらも参考にしてみてね。