こんばんは、いしかわです。
この1本、ちょっと難しいことを言います。
“ワイングラスで飲みたい”
グラスのふちに溜まる香りを楽しみたい。ワイングラスを持っていないけれど。
さ、ちょっと詳しく見ていきましょう。
『チトセザカリ純米吟醸:桃色』ってどんなお酒?
『チトセザカリ純米吟醸:桃色』とは、鹿角市の『千歳盛酒造』でつくられている日本酒です。
千歳盛酒造の強みは、酒づくりに適した土地であるところにあります。
なぜなら鹿角市は、秋田のなかでもっとも寒い。
さらに仕込蔵が半地下になっているため、年間とおしてクーラー無しでの低温管理が可能なんです。
杜氏をつとめるのは、工藤功一氏。
氏の肩書きは凄まじく、“全国きき酒選手権”においてチャンピオンになった実績があります。
そんな氏が“自らの理想を形にした1本”こそが『チトセザカリ』シリーズです。
なかでも『桃色』は、その第1弾。
『美郷錦』と『秋田美桜酵母』をかけあわせた、香り豊かな純米吟醸です。
『チトセザカリ純米吟醸:桃色』を飲んでみて
この1本、口のすぼまったグラスがよく似合います。
甘酸っぱい香りだけれども、甘みが6、酸味が4。
とにかく好みです。
ずっと嗅いでいたいくらいで、口に運ぶまでの時間が長くなります。
味わいは、舌でつぶした時の広がり方がマスカットのよう。
さらに奥から“いちごのようなフレッシュさ”が顔を出します。
例えがどうしても果物になってしまうほどフルーティーです。
『フルーツの盛り合わせ』と『チトセザカリ』が並んで置いてあれば、私は迷わず『チトセザカリ』を選びます。
朝ならば唸りますが、夜ならば間違いなく選びます。
それくらい好き。
甘みを引き出した『美郷錦』の味わいと『秋田美桜酵母』の組み合わせには、秋田に生まれてよかったと思わせてくれる魅力があります。
ただ、1つだけ注意点が!
これは私の『運』の問題かもしれません。
私は過去に3度、この1本を買っています。
その2回目。2本めがかなりヒネていました。
真夏でも空調の甘いお店で、保管は常温。購入時期は秋ごろだったで、ひと夏を越えた1本です。
アタリが悪かった。
それだけのことなのですが、その1回が、3本目の購入を何年も遠ざけました。
なので、この1本に限らずです。
日本酒を選ぶときは醸造年月と状態を、ぜひチェックしてからお買い求めください。
『チトセザカリ純米吟醸:桃色』のインスタグラムでの口コミは?
個人的にイチオシな1本なのですが、他の方はどのように感じたのでしょうか。
インスタグラムの口コミをまとめたので参考にしてみてください。
- なかなかパンチのある飲みごたえ
- 甘みと酸のバランス
- しっかりぶんわりちょいピリと、日本酒の王道をいく感じ
- まろやかながらしっかりとした味わい
- 燗でうまみ風味が増し、酸味がまろやかに
- 可憐な甘さと酸の調和具合が佐藤錦のよう
- 香りは甘酸っぱいイチゴのよう
美郷錦の味わいはよくイチゴに例えることが多いですが、『佐藤錦』に例えるのは初めてみました。
さくらんぼのよう。
甘酸っぱさがスッとイメージできて、素敵な表現ですよね。
そして、ちょっと意外だったのがこれです。
『燗映え』
冷やして飲む印象が強かったので、熱燗は盲点でした。
なんとなく、もったいない。やらない方がいい。
純米吟醸=冷やして飲むもの。
そんな先入観があって、まったく気づきませんでした。
熱燗でもいけるとなれば、季節問わず楽しめる1本になりそうですね。
『チトセザカリ純米吟醸:桃色』の商品情報
- アルコール分:15度
- 精米歩合:55%
- 原材料名:米(秋田県産)、米こうじ(秋田県産米)
- 使用米:大潟村産美郷錦100%
- 酵母:秋田美桜酵母
- 日本酒度:±0
まとめ:1本目でハマり、2本目で離れ、3本目でまた鷲掴みにされた『渾身』の1本
千歳盛酒造は後継者が見つからなかったため、1度は存続が危ぶまれた酒造です。
居酒屋『半兵衛』で有名なドリームリンクが事業を継ぎ、『工藤功一』氏を迎えることで再スタートを切りました。
そこからの試行錯誤は、想像できるものではありません。
ドリームリンクは居酒屋展開で有名な会社であり、日本酒づくりで名を馳せた会社ではありません。
工藤功一氏もそう。
全国きき酒選手権のチャンプとはいえ、あくまでも飲む側の人です。
ですが、1社と1人が出会うことで化学反応が起きました。
『チトセザカリ』は『渾身』に偽りなくすばらしいお酒です。
もっともっと知名度を上げて、たくさんの人に飲んでほしい。
そう心から応援したくなる1本です。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは。
※飲みやすくてフルーティーな日本酒でまとめているのでこちらも読んでみてね。