こんばんは、いしかわです。
名前だけ見ると、どの蔵にもぜったいに存在する銘柄『純米吟醸』。
それは『両関』にとっては挑戦で、新たなスタートでした。
ちょっとだけ詳しく見ていきましょう。
『両関 純米吟醸』ってどんなお酒?
実はこの『両関 純米吟醸』……
生まれは2024年と、ごく最近なんです。
両関酒造といえば、『花邑』と『翠玉』の2枚看板。
『花邑』は『十四代』の高木社長による技術指導によって生まれた、原材料にも幅をもたせたブランドです。
逆に『翠玉』は幅を狭め、秋田県産にとことんこだわったブランドとなっています。
どちらも今や大人気のブランド。
県内外でも圧倒的な知名度をほこる秋田の地酒です。
では、『両関』は?
燗酒として支持の多い『銀紋』や、地元人気の高い『本醸造』。そして、贈答用としても選ばれる『雪月花』。
どれもに共通するのは『一般流通品』であるところでしょうか。
『特約店』に固定しないことで、より日常に寄り添う1本を目指している印象があります。
そして、もうひとつ。
“伝統を守るためのブランド”
『花邑』『翠玉』が新たな道であるならば、『両関』はこれまでの道。
変わってゆく蔵のなかに残したい、伝統の色なのではないかと感じます。
さて、そんな想像だけで語ってきた『両関』ですが、『純米吟醸』はこれまでと『顔』が違います。
というのも『両関』って、甘口なイメージがありませんでしたか?
『花邑』『翠玉』が台頭してきてからは特にです。
『濃醇甘口』
そんな言葉をよく耳にした気がします。
が、『両関 純米吟醸』は、その逆を行きます。
+3度のやや辛口。
伝統を冠したブランドの、新たな挑戦です。
さっそく飲んでみましょう。
『両関 純米吟醸』を飲んでみて
この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。
“フローラルさが太い”
開栓した時点で香りが高く、ビンの口からリンゴや梨のような香りが漂います。
口当たりは、まったり。
味わいはほんとに複雑で、フルーティーというよりはフラワリーです。
果実よりは花を思わせる香味が口に広がりました。
『やや辛口』を想像して飲むとしっかり辛さがあり、甘みの後にしっかりとキレが。
味わいには太さがあるので、グイグイとはいけない味でした。
ゆっくり飲みたいというよりは、『ゆっくりしか飲めない』という印象ですね。
濃厚さを軽快に飲ませるところは『花邑』『翠玉』と変わらないですが、こちらはしっかりと辛口です。
厚みのある甘みとキレ。そして、きれいすぎない酒質。
『淡麗辛口』とはまた違ったスタイルをもつ、『両関』らしさを見た気がしました。
『両関 純米吟醸』の商品情報
- 使用米:秋田県産米100%
- 精米歩合:55%
- アルコール分:16度
- 日本酒度:+3
※一般流通品
まとめ:伝統を意識した挑戦。やや辛口の『両関』が誕生。
好き勝手言わせてもらうと、日本酒好きの方は地酒屋さんに行って『花邑』『翠玉』を。
酒好きの方は、『両関』も視野に。
正直、日本酒好きの方にオススメするのは難しい1本でした。
やはり、あえて選ぶ理由がありません。
特に、私よりも若い世代。
オススメを尋ねるよりも自分で探すのが楽しいと思える世代には、薦めづらいものがあります。
ブランド名がひとり歩きしているだけなら何も言いません。
ですが、『花邑』『翠玉』には実力があります。
「こっちを買った方がいい」
そう言いたくなるだけの個性があるんです。
それに、人にはそれぞれ予算があります。
おなじような金額を出すのなら、あなたにとって『価値』と『魅力』を感じる1本の方がいいはずです。
なので、私が薦めるのなら『花邑』『翠玉』を。
季節ごとに現れる宝石のように美しき味わいを、ぜひ楽しんでいただきたく思います。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは。
※個人的にオススメしたい秋田の地酒をまとめてみました。