『刈穂 吟醸酒 六舟』の感想・レビュー:コスパ高く、刈穂らしく辛く

刈穂・出羽鶴(秋田清酒)
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こんばんは、いしかわです。

 

「この1本を見たことがない」

 

そんな秋田の酒飲み、いませんよね。

コーラを飲んだらゲップがでるくらい確実に見ているはずです。

仮にないのであれば、あなたはきっと秋田の『出身』。

20歳を前に秋田を離れたのではないでしょうか?

 

そう言いたくなるほどに身近。

どこでも買えて、いつでもうまい1本です。

ちょっとだけ詳しくみていきましょう。

 

『刈穂 六舟 吟醸酒』ってどんなお酒?

『六舟(ろくしゅう)』は、すべてのもろみを『槽しぼり』でしぼる刈穂ならではのネーミング。

刈穂蔵に現存する“6つの酒槽”に由来します。

 

横からプレスしてしぼる『ヤブタ式』に対して、『槽しぼり』は上からプレスする方法です。

上からプレスと言っても機械によるものではありません。

上から押さえつけるチカラは、『もろみ自身』。

もろみを入れた目の粗い酒袋を重ねていくことで、自重によってしぼれていくのがこの『槽しぼり』となります。

 

さて、そんな伝統の槽しぼりでつくられた刈穂の『六舟』。

私が20歳を迎えた頃にはすでに第一線で活躍されていて、「吟醸酒と言えば!」というポジションにありました。

実際、スーパーでの酒担当者時代にいちばん売れていたのは、まちがいなく『六舟』です。

断トツでした。

私もオススメしやすくて、「辛口ですっきりしたやつ」=『六舟』という流れで勧めていたほどです。

 

が、それも昔のお話。20年近くも前になります。

大切なのは今ですよね。

 

実はこの『六舟』、停滞することなどなく、少しずつブラッシュアップされています。

酒米は『めんこいな』から『ぎんさん』に。

精米歩合は『57%』から『55%』にと、より吟醸酒らしいスペックになりました。

日本酒度、酸度に変化なしなので、ここは触れずにいきましょう。

 

『刈穂 六舟 吟醸酒』を飲んでみて

この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。

 

“すっきり辛口”

 

若い青リンゴのように華やかな香り。

味わいからは、辛口な中にもほどけない甘みが感じられます。

この甘みがべたつかないので、クドくない。

べたつかずに喉へ向かうので、印象はやっぱり『すっきり』に落ちつきました。

 

のど越しもまた刈穂らしく軽快で、冷やして飲めばその感覚は倍増します。

常温で売られていることが多いですが、ぜひ冷やして。

季節問わず冷蔵庫で保管されることをオススメします。

 

この1本がコンビニでも買えること。

 

その当たり前こそが、秋田を酒所にしてくれている一因なのではないかと感じます。

手に取る日本酒が、うまい。

ありがたいです、ほんと。

 

『刈穂 六舟 吟醸酒』の商品情報

  • 使用米:美山錦・ぎんさん
  • 精米歩合:55%
  • アルコール分:15度
  • 日本酒度:+5
  • 酸度:1.3

※カートン入り、300ml入りもあります

 

まとめ:どこでも買えるすっきり辛口。ゆえに管理が重要です。

スーパーでもコンビニでも、ふらっと入った酒屋さんでも買える『六舟』。

それはもちろん強みなのですが、気をつけなければいけないことがあります。

それは、管理の方法です。

 

スーパーによっては照明が強く、棚のいちばん上に置かれていた場合は劣化が早まります。

コンビニも同様です。24時間、明かりの下に晒されます。

それに気温の問題も避けられません。

人間にとっては適温でも、常に20度は超える空間です。

そこにずっと放置されているとなれば、ある程度の劣化は避けられないでしょう。

 

私は買ったお酒を床下で半年放置して痛い目をみたことがあります。

熟成なんて都合のいい言葉は当てはまりません。あれは完全に劣化でした。

常温で夏を越すなど、甘い考えでした。

 

なので、できれば醸造年月の新しいものを。

そしてそれを、時間を空けずに。

 

ぜひ、おいしいうちに飲んじゃってください。

そのときの味わいがきっと、そのお酒に対する正しい感想ですから。

 

それでは今回はこのへんで。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

ではでは。

 

※辛口でおいしい秋田の地酒をいくつかまとめてみたので、お手すきの際にでも読んでみてね。

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