『米から育てた純米酒 ひやおろし』の感想・レビュー:ブドウでもリンゴでもない華やかさ

天寿・鳥海山(天寿酒造)
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こんばんは、いしかわです。

 

通年で展開されている『米から育てた純米酒』に『ひやおろし』が出ましたね。

発売は8月下旬と、まだまだ夏。

酷暑のきびしい近年では「まだ夏酒が飲みたい」という人の方が多いのではないでしょうか。

 

とはいえ。

とはいえですよ。

 

日本酒業界はアパレル業界よりも早いです。

アラフォーが感じる1年よりもずっと速く、あっという間に商品が入れ替わっていきます。

なので、おさえるのなら今です。

ちょっと詳しく見ていきましょう。

 

『米から育てた純米酒 ひやおろし』ってどんなお酒?

『米から育てた純米酒 ひやおろし』は、矢島町にある『天寿酒造』がつくる1本です。

 

天寿酒造には蔵人と地元農家が協力して栽培する『天寿酒米研究会』があり、この『ひやおろし』にももちろん『天寿酒米研究会』の『一穂積』が。

酵母には、天寿おなじみの『なでしこ酵母(ND-4)』がつかわれています。

まさにオール天寿。

この『ひやおろし』は天寿酒造にしか造ることのできない、文字どおり『米から育てた』純米酒なんです。

 

さて、そんな『ひやおろし』なのですが、元となっている『米から育てた純米酒』の受賞歴がすごいんです。

特に、海外での評価がアツい。

フランスの『KuraMaster』では金賞を。おなじくフランスの『フェミナリーズ世界ワインコンクール』でも金賞を獲得しています。

 

特筆すべきは後者でしょうか。

世界の女性ワイン専門家が審査する『フェミナリーズ世界ワインコンクール』は、フランスでもTOP5に入る知名度を誇ります。

世界中から5000本のワインが集まり、ブラインドでテイスティング。

ネームバリューやブランド力に影響されない、厳正な審査がされるコンクールです。

 

そんな由緒正しきコンクールに新設された『日本酒部門』。

ブラインドテイスティングにより、『米から育てた純米酒』は評価を得ました。

 

『米から育てた純米酒 ひやおろし』を飲んでみて

この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。

 

“ややこってりでフローラル”

 

果実に例えられないフローラルな香り。

梨に近いような気もしますが、断言できない香りがくすぐります。

 

口当たりはやわらかくも、ややこってり。

ふくめば深く広がり、+2度のほぼ中口ながらも甘みを強く感じました。

 

この甘みが不思議で……!

 

よく日本酒の甘みはブドウやメロン、リンゴなどに例えられますが、この1本はどれでもないんです。

どれにも当てはまらない静かな華やかさが、ずっといます。

後味にキレやアルコール感はなくて、余韻には消えていく落ちつきが。

最初は甘みが濃くて飲みにくく感じましたが、舌が慣れてきた頃には『程良い』と感じるようになっていました。

 

秋の味わいへの切り替わりを感じる1本です。

ひと足お先に、片足を突っ込んでみてはいかがでしょうか。

 

『米から育てた純米酒 ひやおろし』の商品情報

  • 使用米:天寿酒米研究会『一穂積』
  • 精米歩合:60%
  • アルコール分:15度
  • 酵母:なでしこ酵母(ND-4)
  • 日本酒度:+2(2025年)

 

まとめ:海外評価の高い、オール天寿のひやおろし

実は私、この『米から育てた純米酒』は『ひやおろし』から入った人間です。

先に『ひやおろし』を飲んで、そこから通年の方に興味をもちました。

というのも正直、ちょっと避けていたんです。

 

「もしかしたら、けっこう古風な味なんじゃなかろうか」

 

そんな先入観が手に取らせませんでした。

ですが8月下旬、早々に『ひやおろし』が発売されたことで手が伸びます。

『季節感が』というよりは、『夏が終わってほしい気持ち』からでした。

 

祈るように手に取った1本。

 

しっかりと味が乗っていて、秋色をしていましたよ。

あなたもぜひ季節を先取って、気持ちだけでも秋を感じてくださいね。

 

それでは今回はこのへんで。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

ではでは。

 

※少し前に書いたものですが、おすすめの秋酒をまとめてみました。

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