このビールを思うとタイピングに力が入ります。
こんばんは、いしかわです。
今回は、私がクラフトビールを知るきっかけになった1本。
私にとって始まりのクラフトビールをレビューしていきます。
サクサクいきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
さっそくいってみましょう。
『ケルシュ』ってどんなビール?
『ケルシュ』とは、ドイツのケルン地方でつくられている伝統的なビールをいいます。
『伝統的』と使ったのは、名の重みが違うからです。
実は、『ケルシュ』とそのまま名乗ることができるのは、ケルンで醸造したものだけ。
それ以外は『ケルシュ風』。
あくまでも『スタイル』としてしか名乗れません。
そのため、田沢湖ビールの『ケルシュ』もまたスタイルとしての名称となります。
そんな『ケルシュ』ですが、大きな特徴は2つです。
ひとつは、香り。
「白ワインのよう」と言われ、他のスタイルにはない気品ある香りが楽しめます。
そしてもうひとつの特徴が、『造りの特殊さ』です。
『ケルシュ』は『上面発酵ビール』。
『上面発酵ビール』とは、高温で発酵させる酵母をつかったビールのことを言います。
発酵していく過程で酵母が浮いてくることからその名が付けられました。
おなじ上面発酵には『アルト』や『ヴァイツェン』があるのですが、『ケルシュ』はちょっと特殊。
なんと、
“上面発酵用の酵母を低温で醸造しているんです”
そのため『ケルシュ』は、『にごり』や『フルーティーさ』にプラスして、低温醸造ならではの味わいも兼ね備えています。
そして実はこの『低温醸造』……
日本人にはなじみが深いんですよ。
日本のビールの約9割は『ピルスナー』。
『スーパードライ』も『一番搾り』も『黒ラベル』もそうです。
そんな『ピルスナー』は、低温発酵のスタイル。
『下面発酵ビール』に分類されています。
なのでまとめると、『ケルシュ』は『上面発酵』の酵母を『下面発酵』に近い温度で醸造したビール。
ドイツビールでありながらも日本人の舌になじみが深いスタイルとなります。
というわけで、実際に飲んでみました。
『田沢湖ビール ケルシュ』を飲んでみて
この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。
“品があって美しい”
とにかく美しいです。
グラスに注げば黄金色。
黄金色と言っても『明るい』黄金色をしています。
アルトよりは色が薄く、ピルスナーよりは濃く、ヴァイツェンよりは濁りが少ない。
そんな“ほどよい”が、外見にありました。
そして、香りです。
こちらも“ほどよい”がよく似合います。
華やかだけど香りで飲ませる強さではない、という感じでしょうか。
もしかしたら、発泡性の弱さが手伝っているのかもしれません。
泡による押し上げがない。
だから香りで飲ませない。
そんな印象を受けました。
と、いま『発泡性の弱さ』に触れましたが、これがうれしいんですよ。
刺激が少ないので、味わいがまろやか。
『味わうこと』が存分に楽しめます。
ヴァイツェンよりも苦みはありますが、静かに消えていくので飲みやすさがたまりませんでした。
これはぜひ、女性にも。
いや、女性にこそオススメしたい1本です。
1杯に感じた“やさしさ”を、ぜひご堪能ください。
『田沢湖ビール ケルシュ』の商品情報
- アルコール度:5%
- IBU:20
- 発酵方法:上面発酵
- 賞味期限:180日
IBUとは苦みの単位で、0〜100の数値で表されます。
アサヒスーパードライが16、一番搾りが21,エビスビールが25なので、おおよその参考にしてみてね。
ちなみに『田沢湖ビール』に限定すると、
- アルト:32
- ピルスナー:28
- ヴァイツェン:17
となります。
わずかな差でも感じ方に大きな違いがあったりするので、飲み比べてみるとおもしろいですよ。
まとめ:一番搾りと同じくらいの苦み。日本人の舌によくなじみます。
実はこの『ケルシュ』、筆者がはじめて飲んだクラフトビールなんです。
そのときの感動は、今でも。
「こんなにおいしいビールが秋田にあったのか」
日本酒のイメージが強い秋田県において、勝手に盲点としていた地ビールの存在。
いつも飲んでいるビールにはない『新鮮さ』と『やさしさ』に、私は笑っていました。
秋田にはビールもあったんだ、と。
この感動を、ぜひあなたにも感じていただきたい。
クラフトビールという可能性に、ぜひ舌筒を打っていただければと思います。
なんだか書いてるそばから飲みたくなってきましたよ。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは。
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