こんばんは、いしかわです。
田沢湖ビールにもたくさんの種類がありますが、忘れてはいけないのがこのスタイル。
原点にして頂点。
不動の人気を誇る『アルト』です。
ちょっと詳しくみていきましょう。
『アルト』ってなんぞ??
『アルト』とは実は略称で、正式名称はしこたま長いです。
その名も、
『デュッセルドルファー・アルトビア』
なんとなくお察しの通り、ドイツのビアスタイルです。
大きな特徴は3つあります。
ひとつが、色。
日本で主流な『一番搾り』や『スーパードライ』などと比べると赤色が濃く、まるでルビーのよう。
記事のタイトルで「宝石! 宝石!」と騒いでいたのは、この『色』のことでした。
2つ目が、香りです。
『トースト香』と呼ばれる、麦芽を焦がしたような香りがあります。
そして3つ目。苦みです。
世界にはさまざまなビールが存在するので、苦み最強となれば他があります。
ですが、ドイツビールという括りであれば。
ドイツビールの括りであれば、アルトはもっとも苦みの強いスタイルだとされています。
ちょっとここからは専門用語が出てくるので、苦手な方は読み飛ばしてください。
日本で有名なビールの9割は『ピルスナー』というスタイルにあたります。
さっきスーパードライや一番搾りの名前を挙げましたが、黒ラベルやプレミアムモルツもそうです。
そして、これらはすべて『下面発酵』。
低温で時間をかけて発酵させることで、すっきりとしたクリアな味わいに仕上がるのが特徴です。
対する『アルト』は『上面発酵』。
高温で時間をかけずに発酵させることで、フルーティーかつ香り高い味わいに仕上がります。
おなじタイプのビールには、
- ケルシュ
- ヴァイツェン
- ペールエール
- ホワイトビール
- バーレイワイン
などがあるので、好みの参考にしてみてくださいね。
『田沢湖ビール アルト』を飲んでみて
ここまでの流れをぶった斬ってしまうことになるのですが、言わせてください。
思ったほど苦みが濃くない!
飲みやすいです。すごく飲みやすい。
身構えて飲んだ自分を恥じるほど、スッと喉をとおりました。
他のビールを引き合いに出すのは良くないですが、私はエビスビールがあまり得意ではありません。
他の大手にはない、あの苦み。
おいしいと感じるにはまだ時間がかかりそうです。
と、なぜいまエビスビールを話題に挙げたのか。
実は苦みには、『単位』があるんです。
IBU(国際苦味単位)と呼ばれ、0〜100までの数字で表されます。
エビスビールのIBUは25。
対して、田沢湖ビールのアルトは29です。
誤差。たった4の差、と思いますよね。
ですが、ちょっと待ってください。
一番搾りのIBUは21。
エビスビールとの差は、これまた“たったの4”なんです。
この誤差のような数値で好みが分かれるほどの味わいを生んでいます。
さて、そんなIBU29の『アルト』ですが、“苦みを囲む味わい”にも大きな特徴を感じました。
それは、ルビーのような色にも負けないほどのコクです。
このコクがたまらなくフルーティー。
苦みをゆるやかにしてくれます。
コクと苦みのフルーティーさが、舌の奥で強いうまみに感じたんです。
ちなみにちょっとぬるくなってくると、ホップのうまみが全開になります。
一口がよく広がるので、味わいたいときに試してみてくださいね。
『田沢湖ビール アルト』の商品情報
- アルコール度:5%
- IBU:29
- 発酵方法:上面発酵
- 賞味期限:180日
まとめ:色で構えず田沢湖ビール、まずはここから
田沢湖ビールにおける『アルト』のポジションは、不動の人気No.1。
ドイツ伝統の造りをしながらも、新しい時代でも支持される味わいをもっています。
受賞歴についてもお伝えしたかったのですが、あまりにも華々しく、ひとつひとつ書いていてはキリがありません。
ですがそれでも、これだけは伝えさせてください。
『ワールド・ビア・アワード』の授賞。
なんと、アルト部門において『世界一』です。
しかも2011、2012年と、連続での授賞なんです。
ビールといえばドイツ、ベルギー、アメリカのイメージがあるかもしれません。
ですが、クラフトビールならば。
手仕事の丁寧さならば、日本は負けていないはずです。
それは伝統工芸品の繊細さからも見てとれますよね。
だからこそクラフトビールには、世界を圧倒する力があるのだと感じます。
とはいえ、根付くべきはまず国内。
特に秋田県は、米どころにして酒どころ。日本酒が有名です。
なので、クラフトビールが秋田でもっと浸透するように。
観光客の目にももっと留まるように祈って、ここまでにしたいと思います。
ではでは。
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