こんばんは、いしかわです。
このビールを初めてみたとき、こう思いませんでしたか？
「てんや？ てんがいじゃないんだ」
実は、私がそうでした。
『てんがい』の読み方を変えたものだと思い、ネガティブな意味に捉えてしまったんです。
だって考えてみてください。
『天涯』に続く言葉で真っ先に浮かぶものって、『孤独』ではありませんか？
天涯孤独。
身寄りがまったくいないことを意味する四字熟語です。
少なくともポジティブではありませんよね。
それならば、いったいなぜ『天涯』の文字が与えられたのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
『湖畔の杜ビール 天涯(てんや)』ってどんなビール？
『湖畔の杜ビール 天涯(てんや)』とは、田沢湖周辺に醸造所をかまえる(株)トーストがつくるクラフトビールです。
湖畔の杜ビールのなかで『天』の名をもつものは3種あります。
- 天空(てんくう)
- 天涯(てんや)
- 天恵(てんけい)
なかでも『天涯(てんや)』は、何人ものビール好きが「この味わいは永遠に忘れられない」と絶賛したことから商品化された1本です。
そしてこの、『永遠』こそが『天涯(てんや)』。
中国では『永遠』を意味することから、『天涯(てんがい)』ではなく『天涯(てんや)』の名が与えられました。
『天涯(てんや)』の特徴は大きく分けると2つあります。
ひとつは、モルト。麦芽の使用率です。
麦芽のみで作られたビールなのはもちろんですが、従来のビールに比べて使用率が上がりました。
その上昇幅、なんと40%。
更にその麦芽をローストしているため、ビールの色合いは赤褐色をしています。
いつもより贅沢で、いつもより高級感がある。
目で見えるところにはそんなこだわりがありました。
そしてもうひとつの特徴が、、発酵期間です。
従来のビールよりも発酵の期間を長く設けることで、コクを深めています。
そのため、同社の『天空』とはまったく違う味わいが楽しめるんです。
※天空の味わいについてはこちらを読んでみてね。
『湖畔の杜ビール 天涯(てんや)』は受賞歴もすごい
さて、そんな『天涯(てんや)』ですが、ビール好きが唸るだけあって受賞歴も華々しいです。
直近のもので言わせていただくと、まずは2020年。
秋季全国酒類コンクールにおいて『第1位特賞』。
『特賞』とは、1位のなかでも特に優れたものに贈られる最高の栄誉です。
1位がいくつもある時点で「ん？」となりますが、その中からさらに審査するのならば納得できますよね。
そして、こちらがおもしろい。2009年。
全国酒類コンクール上海において、総合1位。
さらにこのコンクールには『一般公開テイスティング』があり、ビールファンや酒類関係者からダントツの1位評価を受けたんです。
ビールとは、誰が飲むものか。
私たちですよね。
プロではなく、一般消費者が唸ってこそ酒です。
コンクールは醸造家の夢であり、消費者の夢ではありません。
だからこそ、両方の夢を叶えた『天涯(てんや)』には期待がかかります。
いったいどんな味わいだったのか。
飲んでみました。
『湖畔の杜ビール 天涯(てんや)』を飲んでみて
この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。
“表せない”
か〜〜なり複雑！
香りはグラスからよりも、口に含んだときの方が強く感じられます。
それはもう、含んだ瞬間の出来事。
奥行きのあるフルーティーな香りが、ぶわっと鼻に抜けました。
炭酸、ガス感は少なく、それだけにコクが強く感じられます。
おかしな表現になってしまうのですが、苦みが静かで華やか。
『華やかな苦み』という表現がよく似合います。
飲み慣れたビールたちと比べると、キレは弱いです。
ゴクゴクではなく、じっくり飲みたい。
というか、じっくり飲まないともったいない。
このコクと苦みがほんのり伸びる感覚は、味わってこそだと思います。
この1本、味わうタイプのビール好きにはたまらないですよ。
逆に言えば、
- キレを求める
- スッキリした味わいが好き
- 最初の1杯だけでいい
という方には不向きなビールと言えそうです。
『湖畔の杜ビール 天涯(てんや)』の商品情報
- アルコール分：5.5%
- 賞味期限：120日
◯受賞歴
全国酒類コンクール上海：総合1位
秋季全国酒類コンクール2017：第1位
秋季全国酒類コンクール2020：第1位特賞
まとめ：醸造家と消費者の夢を叶えた、ビールファン絶賛の1本
永遠の意味をもつ『天涯(てんや)』。
それは、「この味わいは永遠に忘れられない」というファンからの絶賛により付けられた名前でした。
醸造家と消費者。
どちらが欠けても存在しなかったと考えると、なんだか沁みるものがありますよね。
秋田は酒どころですが、それは『日本酒』が占める意味合いが大きいです。
クラフトビールを第一に挙げる人は少ないかと思います。
この『あきたさけ！』もまた日本酒がメイン。
クラフトビールを取り上げはじめたのは最近のことです。
そんな私ですが言わせてください。
飲めばわかります、この魅力。
それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは。
※湖畔の杜ビールで飲み比べるのもオススメですよ。
