こんばんは、いしかわです。
激辛好きにも十人十色。
「辛ければいくらでも辛い方が好き」という人もいれば「ほどほどが良い」という人もいますよね。
特に日本酒における辛口って、『甘くないこと』を極限まで詰めていったものになります。
なので、日本酒の『辛い』は『甘くない』。
どのくらい甘くないのかが好みの分かれ道になってきます。
その点で言えば今回の1本は、ちょうどいい。
+11度の超辛口でありながらも「ほど良い」と感じる1本です。
ちょっと詳しく見ていきましょう。
大納川天花 特別純米生 炎ラベルってこんなお酒
『大納川天花 特別純米生 炎ラベル』は、ファンの願い。
「大納川の蔵付き酵母で辛口ってできないの?」という声から生まれました。
この『炎ラベル』のポイントは、酒米にあります。
というのもなんと、『あきたこまち』が使用されているんです。
『秋田酒こまち』ではありません。
私たちが当たり前に食べている、あの『あきたこまち』100%の日本酒なんです。
そんな“意外性”が大納川の蔵付き酵母D‐121と出会うことで、こうなります。
“+11度の超辛口”
噛めば噛むほど甘い『あきたこまち』が、日本酒になることで可能性の塊に。
1.7という高めの酸度と合わさって、バツグンの食中酒が誕生しました。
大納川初の日本酒度+10overは、飯米による1本。
『あきたこまち』と食べながら『あきたこまち』を飲む。
そんな、オール秋田な1本です。
大納川天花 特別純米生 炎ラベルを飲んでみて
この1本の味わいを一言であらわすのならこうなります。
“やわい超辛口”
しっかりと辛口なのですが、ほんの少しの甘みが口のなかで香ります。
この香りがどこか懐かしい。
私が秋田県民だからでしょうか。ホッとするんです。
酒米と比べれば、確かにお米のうまみは慎ましやかです。うまみよりも酸の方が前に来ます。
全体的に控えめな味わいなので、日本酒度にしては尖りません。
そしてガス感も強くはないので、生酒ながらも落ちついた味わいが楽しめます。
『控えめ』
『慎ましい』
そんな言葉を並べてきたので、「物足りない味なのでは?」と思われたかもしれません。
これがね……
そんなことないんです。
おいしいんですよ、すごく。
超辛口のお酒って口当たりが重くなりがちですが、この1本は超軽快。
単体ではもちろん、食事にも合わせやすくなっています。
ただ、個人的には単体で。
ほんのり感じる甘みの良さを楽しんでいただければ、と感じました。
正直言ってこの1本、常備しておきたいです。
大納川天花 特別純米生 炎ラベルの商品情報
- 使用米:あきたこまち100%
- 精米歩合:60%
- アルコール分:15%
- 日本酒度:+11
- 酸度:1.7
- アミノ酸:1.0
- 使用酵母:蔵付きD‐121
- 参考価格720ml:1,980円
まとめ:飯米の可能性に触れた1本。炎ラベルは秋田の食中酒に。
これまでにも飯米をつかった秋田の日本酒はありました。
『めんこいな』『ゆめおばこ』『ひとめぼれ』
『つぶぞろい』が発売されれば『つぶぞろい』の日本酒が。
『サキホコレ』の発売に合わせて『サキホコレ』の日本酒も誕生しています。
ですがどれも、定着はしなかった。
そんなイメージがあります。
では、『あきたこまち』はどうなのか。
その答えが、この『炎ラベル』のなかにある気がしてなりません。
強い味わいが必ずしも美味いとは限りません。
弱い味わいが必ずしもマズいとは限りません。
この1本、おもしろいですよ。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは!
※日本酒度別で秋田の日本酒をランキングにしてみました。