こんばんは、いしかわです。
The・秋田の定番酒『高清水』から、おどろおどろしいネーミングの日本酒が発売されましたね。
その名も、丑三つ迄。
今回はその第2弾である『生酛純吟』を紹介していきます。
結論から言ってしまうとこの1本、オススメです。
とはいえ、物には順序があります。
冒頭でグイグイ推されても何がオススメなのかわからないですよね。
じっくりいきましょう。
『丑三つ迄 生酛純吟』ってこんなお酒
本筋から外れてしまいますが、先に名前の由来に触れてしまいますね。
丑三つ迄というネーミングは、
“午前2時。『丑三つ時』まで飽きずに楽しめる1本”
というお酒のコンセプトから来ています。
第2弾である『生酛純吟』のテーマは、『不易流行』。
『不易流行』とは、“変わらないものの中にも変化を取り入れること”を意味します。
今回の1本でいえば、生酛という伝統の中に新しい色を入れた。
そんな風に捉えていいのかもしれません。
実際この『生酛純吟』は、秋田酒こまちを45%まで磨いた1本です。
スペックだけで見れば同社定番の純米大吟醸と変わりません。
ですが、その味わいはまったくの別物。
数字だけでは測れないものがあります。
『丑三つ迄 生酛純吟』には、オススメしたくなる何かがあるんです。
その何かを感想にしたためます。
いってみましょう。
『丑三つ迄 生酛純吟』を飲んでみて
この1本の味わいを一言であらわすならこうなります。
“マジ生酛”
辛口と呼ぶには弱いのに、甘みは酸味に包まれています。
そのため、甘みを感じづらい。
中口に近いのではないでしょうか。
しかも酸味と苦みのアタックが早いんです。
先に先に来るので、口当たりの異常なやわらかさを見逃しそうになります。
やわらかくもコク、酸がある。
という、まさに良き生酛です。
最初のひとくちは、舌が「あーー、これめっちゃ生酛ぉぉ」と驚いていました。
苦手ではないけど得意でもない味わい。
20代のころに出会っていたら、「ちょっと古いかも」と遠ざけていたかもしれません。
とはいえ、私もいまやアラフォーです。
『純米吟醸』よりも『純米酒』が落ちつく年齢になりました。
なので、驚いたのは最初だけ。
舌に馴染めばうまいうまいっ。
生酛の教科書のような味わいにぐい呑みが進みます。
が、しかし。
ところがどっこいです。
この1本、熱燗でもっとおいしくなります。
もっとぐい呑みが傾くようになるんです。
オススメは、しっかり熱々。
ぬる燗よりも熱ければお好みで大丈夫。
苦みが薄れて酸とうまみがジューシーになります。
これはもう、遊びのない味わいです。
余計な味、余分な味がありません。
生酛の教科書があるのならば、まさに教科書どおり。
設計図から一切ズレることのない、お手本のような味わいでした。
正直、めっちゃおいしいです。
何も尖らず、ただ生酛。
そんな1本の酸味はあったかく、飲み手を芯まで癒してくれました。
私は、日本酒の飲み方は自由でいいと思っています。
生酒を温めたっていいし、燗向けの酒を冷やしたっていい。
あなたがおいしいと思う飲み方が、いちばんおいしいんです。
それでもこの1本。
『丑三つ迄 生酛純吟』だけは、熱燗を推したくなります。
ぜひ、熱いくらいで。
凍える夜を温めてくださいね。
『丑三つ迄 生酛純吟』の商品情報
- 原料米:秋田酒こまち
- 精米歩合:45%
- 日本酒度:+2
- 酸度:1.9
- 参考価格720ml:1,870円
まとめ:めっちゃ生酛。遊びのない味わいがお見事な1本。
高清水といえば超大型の酒造。大量生産のイメージがあるかもしれません。
ですが、『丑三つ迄』はまったく逆。
ゆきの美人や千代緑のように小さく仕込んだシリーズです。
そのため、買える場所は選びます。
秋田県内限定流通にして、地酒屋さん限定。
買える場所が限られますので、見かけたらラッキーだと思ってぜひ手に取ってみてください。
仮に『生酛純吟』が売っていない時期だったとしても、『丑三つ迄』には攻めたラインナップが豊富です。
いまあなたの目の前にある『丑三つ迄』も、魅力的な1本ですよ。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは!
※おすすめの日本酒をまとめているので合わせてどうぞです