『やまとしずく 純米吟醸 一穂積』の感想・レビュー:生酛との相性バツグン!

刈穂・出羽鶴(秋田清酒)
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こんばんは、いしかわです。

 

この1本、人にあげたくなって、おもわずリピ買いしました。

それくらいおいしい。

冗談抜きで、この秋飲んだ日本酒のなかでベスト5に入ります。

ちなみに、ベスト5はすべて同率1位。1本を選ぶなどできません。

なのでこの『やまとしずく 純米吟醸 一穂積』……

 

1位です(笑)

 

なんてアホみたいなこと言ってないで、先に進みましょう。

早く語りたくてウズウズしているので。

 

『やまとしずく 純米吟醸 一穂積』ってこんなお酒

『やまとしずく 純米吟醸 一穂積』は、自社田栽培の一穂積をつかった1本。

冬にしぼって即びん詰めして、火入れを1回。春夏を寝て過ごし、秋の終わりに出荷されました。

 

ちなみに一穂積は、新潟の『越淡麗』と秋田の『秋田酒こまち』を親にもつ新品種です。

 

これまで一穂積をつかったお酒は多数発売されています。

そのなかでもこちらの造りは、ちょっとだけ特殊。

太平山発祥の『秋田流生酛造り』が採用されています。

 

この『秋田流生酛』と『一穂積』の相性が抜群なんですよ!

うまみが補われてピンと跳ねて……と、すでに感想に入りたいくらいなのですが、もう少しだけ詳しくいきましょう。

 

秋田流生酛造りとは、酒母づくりの際にお米を櫂棒(かいぼう)ではなく、電動ドリルですり潰す手法をいいます。

 

「電動ドリル!??」と驚きますよね。

 

というのも実は、酒母づくりってパワーのいる仕事なんです。

半切桶に蒸米をいれて、身の丈よりも長い棒でひたすらすり潰します。数分に渡って。それも、何度もです。

この作業を『山卸し』と呼びます。

 

これがホントに大変な作業で!

 

縁あってタンクのもろみを櫂棒で撹拌する機会をいただいたのですが、もろみ相手でもまあ大変!

ほぼ液体なのに、櫂棒が長くて重くて扱いづらいんです。

混ぜ終わると腕、肩、背中が「ぜぇぜぇ」いいます。

そんな作業を、蒸米相手に行うんです。

できるならもっと効率よくやりたいと思うものですよね。

 

しかもこの『山卸し』、数回に分けて行います。

蒸米が何度も空気に触れてしまうため、雑菌が繁殖する可能性も大きくなります。

 

はたして、小分けせずに、かつ、もっと効率よくやるためにはどうしたらいいものか……。

 

こうして生まれたのが、『秋田流生酛造り』。

半切桶ではなくタンクに入れ、電動ドリルで撹拌するという手法です。

大きなタンクで行えることにより、蒸米が空気に触れる回数、面積が減り、雑菌が入るリスクを減らすことに成功しました。

 

『やまとしずく 純米吟醸 一穂積』を飲んでみて

こんなに“くっきり”とした味わいの一穂積は初めて!

 

なだらかな弧を描くイメージのあった一穂積ですが、この1本はピークが早いです。

ふんわりとした甘酸っぱさがピンと跳ねます。

そこからスンと弱り、舌に残るは鮮やかな香味。この香味が、息をするたび甘く鼻を抜けるんです。

 

これがもうたまりません!

 

うまみと甘みが砕けて消えていく感じはモロに一穂積なんです。

それなのに、輪郭がくっきりしてるからボヤけない。

“物足りない”が一切ない、うまいに満ちた1本でした。

 

『やまとしずく 純米吟醸 一穂積』の商品情報

  • 使用米:大仙市産『一穂積』100%
  • 精米歩合:55%
  • アルコール度:16度
  • 日本酒度:−1
  • 酸度:1.7
  • アミノ酸度:1.2
  • 参考価格720ml:1,980円

 

まとめ:一味違う一穂積。やまとしずくがアツい

冒頭で、2024年の秋に出会った日本酒のなかでベスト5に入ると言いました。

これ、本当に誇張抜きでの感想です。

優劣などつけたくないのに、ついてしまう。それも自然に。

 

「あ、これは人にあげないと」

 

と、おもわずリピ買いしたほどです。

 

下半期に飲んだお酒でリピ買いしたのは、この『やまとしずく』だけでした。

2本買っておきながら居酒屋でも頼んだお酒は、この『やまとしずく』だけでした。

とにかく、衝撃の一穂積。

おいしかったんです。

 

この感動をぜひ、あなたにも。

あなたに届いていたらうれしいです。

ではでは、今日もよき晩酌を!

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