「ちょっと変わった名前の日本酒を飲んでみたい」
「山本ならまずどれ?」
この記事は、そんなあなたに向けて書いています。
こんばんは、いしかわです。
山本酒造店の日本酒と言えば、ネーミングセンスがどこか奇抜。
たとえば、
- ドキドキ山本
- うきうき山本
- ミッドナイトブルー
- ロイヤルストレートフラッシュ
- ツーアウトフルベース
- 逆転サヨナラ満塁ホームラン
山本を知らない人に単語だけ伝えてもきっと、日本酒の名前だなんて思いませんよね。
奇抜で、しかし、うまい。
だから評判もすこぶる良い。
どの銘柄も、「なんだ、山本か」で済んでしまう説得力があります。
そんな山本から今回は、はじまりの1本。
『山本 ピュアブラック』に触れていきます。
ちょっと詳しくみていきましょう。
『山本 ピュアブラック』ってどんな日本酒?
『山本 ピュアブラック』とは、山本友文氏がトライ&エラーの果てにたどり着いた最初の1本です。
平成17年、山本合名(当時)は杜氏制を廃止しました。
理由は、どん底の経営。
杜氏との軋轢。
そして、自身の病。
経営難と杜氏の引退によるストレスで、代表である山本友文氏に病魔がおそいます。
顔面麻痺です。
極度のストレスにより入院を余儀なくされた氏ですが、病院のベッドでたどり着いたのは意外な決断でした。
自分で酒を造る。
この決断により、杜氏主導だった山本合名は大きくカタチを変えました。
これまでにないまったく新しい体制です。氏の試行錯誤の日々が続きます。
繰り返されるトライ&エラー。
やがて生まれたのは、黒いボトルの1本でした。
『山本 ピュアブラック』
『山本』の銘は、すべてを自らの手で造りあげた証として付けられています。
またそれは、酒質への自信にもつながっているんです。
『山本 ピュアブラック』の味は?
『山本 ピュアブラック』の味わいを一言であらわすのならこうなります。
“おだやかなグレープフルーツのような香りと極上のキレ”
香りは、おだやかでありながらも柑橘系。
わずかに奥から香り苦みはグレープフルーツのようで、鼻奥をくすぐります。
口に含むとシュワシュワとしたガス感が心地よく、フレッシュさを演出してくれます。
ちょっとだけ新政のNO.6のよう。
ですが、余韻に大きなちがいがありました。
キレるんです。
『山本 ピュアブラック』はよくキレます。
“日本刀のような鋭いキレ味を目指した”ということでしたが、偽りなしです。
おだやかで爽やかな香りに、小さなガス感。
15度という低めのアルコール分に、スパッと切れるあと味。
この飲みやすさはまさに入門酒です。
若い世代にこそ手に取っていただきたい、時代が求める1本でした。
『山本 ピュアブラック』の商品情報
- 使用米:秋田酒こまち
- 精米歩合:麹米50%・掛米55%
- アルコール度:15度
- おすすめ飲用温度:冷やして
通年販売なのですが、よく冷やすと夏酒としてもおもしろい1本です。
ぜひ暖かい時期にも手に取ってみてくださいね。
まとめ:『山本ピュアブラック』は始まりの1本にしてザ・入門酒
『山本 ピュアブラック』に限らず、山本の日本酒には奇抜なものが多いです。
ですがそれを、「また山本か」で受け止められる信頼があります。
「山本なら……山本ならまた何かやってくれるんじゃないか」
そんな退屈を吹き飛ばすような期待が、楽しいですよね。
新しい試みへの期待と、去年出た商品が今年も出るのかという不安。
どちらも楽しんでこその山本です。
山本のお酒に出会えてよかった。
そう思わせてくれることに感謝しかありません。
それでは今回はこのへんで。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
いしかわでした。